http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2015/07/26/kiji/K20150726010808740.html
J1第2S第4節 鹿島2-1FC東京 (7月25日 カシマ)
鹿島はホームのFC東京戦で戦列に復帰した日本代表MF柴崎岳(23)が1得点1アシストの活躍で、チームを2―1の勝利に導いた。左足第5中足骨を痛め、5試合ぶりに先発で復帰。前半30分に約20メートルの右足ミドル弾を決め、後半36分にはCKから勝ち越し弾をお膳立てした。日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)が視察に訪れた中、東アジア杯(8月1日開幕、中国・武漢)へ向けて、完全復調をアピールした。
鹿島のエースが帰ってきた。前半30分、柴崎はゴール前やや左、約20メートルの位置でパスを受けると、右足を強振した。体重を乗せたボールは地をはうような低く速い弾道。途中で相手DFに当たりコースは変わったが、勢いは衰えず、ゴール右のネットを揺さぶった。「バイタルエリアが空いていたのでシュートイメージを持っていた。軌道が変わり、運良く入ったけど、打ったことが良かった。良いゴールだった」と自賛してみせた。
5試合ぶりの先発だった。6月20日の横浜戦後、左足に痛みが走った。MRI(磁気共鳴画像装置)検査の結果、左足第5中足骨に骨折寸前の症状が表れていた。今季は開幕前から日本代表としてアジア杯を戦い、鹿島では離脱までチームで唯一公式戦フルタイム出場。中心選手であるが故の代償だった。患部の補強手術も選択肢にはあったが、長期離脱となるため保存療法を選択。しばらく別メニューで調整し、16日には練習に合流した。前節19日の松本戦は大事を取って欠場したが、この試合に照準を合わせて結果を出した。
ただ、欠場している間にチーム状況は一変した。松本戦の敗戦でチームはトニーニョ・セレーゾ監督を解任し、石井新監督の就任を決断。クラブ史上2例目となるシーズン途中の解任だった。自身が欠場した試合は1勝1分け2敗。チームの大事な時期にいられなかった複雑な思いもあったが、新体制初戦で勝利に貢献し「チームを良くしたいと全員が思っていた。いい方向に向かうと思います」と胸を張った。
1―1の後半36分には右CKからDF昌子の得点をアシスト。復帰戦ながらフル出場も果たし、ハリルホジッチ監督の前で存分にアピールした。その姿を目に焼き付けた指揮官は帰り際に「柴崎がプレーしたのが、ちょっとうれしかった。かなりいい試合をしてゴールを決め、得点にも絡んだから良かった」と目を細めた。柴崎も「もっとコンディションを上げて、代表に合流する前に戦える状態に上げていきたい」。優勝した2年前は体調不良で辞退した東アジア杯。今度は国内組の中心として、その力を示してみせる。