日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2015年9月20日日曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第11節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51617

J1 2nd 第11節 vsヴァンフォーレ甲府

金崎が気迫の決勝弾!鹿島、アウェイで甲府を撃破!

鹿島が、再び走り始めた。J1 2nd 第11節、アウェイでヴァンフォーレ甲府と対戦すると、61分に金崎が決めたヘディング弾が決勝点となり、1-0で勝利。前節でリーグ戦での連勝が6で止まったが、2試合続けてポイントを落とすことなく、しっかりと再スタートを切った。

鹿島は12日のG大阪戦で、ホームで1-2と痛恨の黒星を喫した。年間勝ち点で僅差に位置していたライバルとの大一番に敗れ、選手たちは悔しさを隠そうとはしなかった。ただ、下を向く時間はない。久しぶりに得た1週間の準備期間、鹿嶋は悪天候に見舞われることもあったが、石井監督は連日、ハードなトレーニングを課した。ミーティングや2部練習を織り交ぜながら、アウェイでの勝利を目指して汗を流し続けた。



指揮官は「G大阪戦の後半のように、相手が自陣に引いて守りに入る中でもそこを崩せるような形をイメージしながら練習してきた」と、語る。安定した守備を誇る甲府のゴールを陥れるため、繰り返しトレーニングを積んで、攻撃の精度向上に努めた。当然ながら「ボールの失い方が悪いと、カウンターを仕掛けられてしまうので」と青木が言うように、リスクマネジメントへの意識も徹底した。

G大阪戦からの先発メンバー変更は3人。攻撃陣にダヴィとカイオが入り、ボランチには出場停止明けの柴崎が復帰した。2トップをダヴィと金崎、2列目をカイオと遠藤が務める形で、ボランチは柴崎と小笠原のコンビ。そして最終ラインは前節と同じ4人、右から西、ファン ソッコ、青木、山本が並ぶ。そして最後尾には、曽ヶ端が立ちはだかる。







夏が戻ってきたかのような暑さ、そして晴天に恵まれた山梨中銀スタジアム。サポーターは早くから長蛇の待機列を作り、熱い思いをたぎらせていた。開場後は暑さも和らぎ、心地良い風が吹き込むようになった。端まで埋まったビジタースタンドは、大きなチームコールと「俺たちの誇りよ」というチャントで選手たちを迎え入れ、再出発への意志を示した。

17時4分、キックオフのホイッスルが鳴った。立ち上がりは互いにボールが収まらず、落ち着かない展開となった。鹿島は次第にボールキープ率を高め、両サイドを広く使った攻撃に活路を見出す。15分、西が蹴り込んだアーリークロスにダヴィが飛び込み、あわやという場面を作るなど、少しずつ攻勢をかけていった。

次のチャンスは22分、柴崎が敵陣で的確な読みとプレスでボールを奪い、カウンターを発動。ボールを引き取った金崎が右足を振り抜いたが、強烈なシュートはGKの正面を突いた。さらに25分には、山本が左サイドを縦へ突破。ファーサイドへの折り返しに遠藤が反応すると、左足で丁寧に合わせて枠を捉えたが、このシュートはクロスバーに阻まれてしまった。

決定機を作りながら、鹿島はなかなか均衡を破れない。39分には、西が右サイドからアーリークロスを上げると、ファーサイドから走り込んでいた山本がダイビングヘッドで合わせたが、これもGKに阻まれてしまった。そして前半終了間際には、1本の浮き球のパスでカイオがGKと1対1になる絶好機を迎えたが、右足シュートは右ポストを直撃し、これも実らなかった。0-0。押し込みながらも最後の一線を割れず、スコアレスで前半が終了した。





日が沈み、四方を囲む山々が漆黒の闇に包まれる中、迎えた後半。鹿島は開始早々からゴールへの意欲を見せる。47分、ダヴィのスルーパスに反応した金崎がゴール前へ突進すると、54分には柴崎の直接FKが枠をわずかに逸れるなど、惜しいチャンスを作り出した。そして60分には、柴崎が自ら得た直接FKを蹴り込むと、強烈なシュートは枠を捉えたが、惜しくもGKに弾き出される。こぼれ球へのプッシュもライン上でクリアされ、ため息が続いた。「チャンスを生かせないものに、勝利の女神は微笑まない――」。前半から繰り返される決定機逸に、嫌な雰囲気がピッチ上に漂い始めた。





しかし次の瞬間、金崎がその雰囲気を一掃させた。右サイドでボールを持った遠藤が左足で上げたクロスに反応すると、ゴール前でヘディングシュート。背番号33の頭から放たれたボールは、ゴール左隅へと吸い込まれた。歓喜のガッツポーズを見せる金崎。1-0。鹿島がついに、均衡を破った。







待望のゴールを得た鹿島は、選手交代で打開を図る甲府に攻め込まれる場面もあったが、68分にダヴィが惜しいチャンスを迎えるなど、カウンターで甲府を脅かしていった。石井監督は73分に土居、80分に鈴木優磨をピッチへ送り出し、攻撃陣のさらなる活性化を図る。ラスト15分は甲府の攻勢にあったが、曽ヶ端を中心とした守備陣が決定機を作らせず、試合は終盤へ突入した。





この日最後のチャンスは90分、金崎の粘り強いドリブルから、優磨がフリーでシュートを放つ場面を迎えたものの、これはGKの好守にあって2点目とはならず。それでも鹿島は甲府の攻撃をシャットアウトし、1-0で完封勝利を収めた。終わってみれば、甲府に打たれたシュートはわずか5本。鹿島はその4倍近い、19本ものシュートを放っていた。



作り出したチャンスの数を考えれば、最少得点差での勝利には物足りなさが残るかもしれない。しかし、柴崎が「スコアよりも勝ち点3」と言うように、アウェイで3ポイントを得たこと、それが何よりの結果だ。





次戦は1週間後、26日に行われるJ1 2nd 第12節の浦和レッズ戦だ。1stステージの王者をカシマスタジアムに迎える。優勝の資格があるかどうか、己の力を試される一戦だ。

何より、鹿のエンブレムの誇りと意地に懸けて、必ずや勝たなければならない決戦だ。

チーム一丸となって、勝利だけを目指して準備を進めていく。



【この試合のトピックス】
・山梨中銀スタジアムでの試合は、2013年9月14日のJ1 第25節以来、約2年ぶり。同スタジアムでの勝利は、2007年8月12日のJ1 第19節以来で、リーグ戦では通算2回目だった(当時の名称は小瀬スポーツ公園陸上競技場)。
・金崎がリーグ戦2試合ぶりのゴールを決め、今季リーグ戦でのゴール数を7に伸ばした。
・ダヴィが、8月16日のJ1 2nd 第7節仙台戦以来の先発出場を果たした。
・鈴木優磨が、公式戦3試合連続の途中出場を果たした。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・後半もやるべきことは何も変わらない。焦らず、自分たちのサッカーを続けること。
・セカンドボールへのアプローチをもっと早く厳しくいこう。
・効果的なサイドチェンジでテンポを作っていこう。

ヴァンフォーレ甲府:佐久間 悟
・アグレッシブなゲームだが90分のゲームをしっかりマネージメントすること。
・相手のダイアゴナルの動きに注意すること。
・後半の入り方を大切に。絶対勝点をとろう!

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
前半から攻撃の形を見せて、相手を押し込めていたことが良かった。後半、相手が攻撃的な選手を2人投入してきて、そこで少し押し込まれたが、無失点に抑えることができた。相手よりも1点を多く取って勝てたのは良いこと。チャンスを数多く作りながら、なかなかゴールには届かなかったが、その部分はもっと練習していかなければならない。それでも1点を取った後、2点目、3点目を取る意欲が見えたので、そこは評価したいと思う。

Q.前節で初黒星を喫して、仕切り直しとして重要な一戦だったと思うが、選手たちにはどのようなことを伝えたのか?

A.連敗をしないことをまず考えようと伝えた。G大阪戦に関して言えば、内容的には良かった部分も多かったので、選手も早く切り替えることができたのではないかと思う。「まずは連敗をせずに仕切り直していこう」という話をした。

Q.アントラーズの伝統である勝負強さやしたたかさ、粘りといった、かつてプレーしていた頃のイメージがあるか?

A.自分が監督になってチームが変わったというよりも、元に戻ったという表現の方が合っているのではないかと思う。

A.最低限、戦う姿勢を見せるということ。そして球際の部分ではしっかりと勝とうということを大事にしている。あとは、選手たち自身が「自分たちでやらなければならない」という気持ちを持っている。その部分が大きいと思う。勝負へのこだわりがあると思う。

Q.試合前にクラマー氏への黙祷があったが、個人的なつながりはあるか?

A.個人的なつながりや、お会いした経験はないが、日本のサッカー界において「父」と呼ばれているような方。今こうしてJリーグで仕事をできているのも、クラマーさんが日本にサッカーを広めて、認められた功績だと思う。一度はお会いしたかった。心からの感謝の気持ちと、ご冥福をお祈りいたします。

Q.バレー選手への対策については?

A.ハーフタイムに伝えたことだが、力で押さえつけるような形で守備をするとどうしても負けてしまう部分があるので、高さで勝負しようと。しっかり競り合おうと話した。できるだけプレーを限定しようと伝えた。イエローカードをもらっていた分、2人のセンターバックが冷静に対応してくれた部分もあるかもしれない。

ヴァンフォーレ甲府:佐久間 悟
前節もホームで勝てなかった。今日は何とかホームで勝ちたいという意気込みで臨んだ。アントラーズは想定していた通り、シンプルに前線にボールを入れて、セカンドボールを拾う戦い方をしてきた。金崎選手が、我々の左サイドを攻略したいという狙いで来たと思うが、そこはプラン通りうまく防げたと思う。その後は、アントラーズがボランチを起点に、ペナルティーエリアの角や最終ラインの背後を突破してくる状況をストロングポイントとして持ってくると想定していた。そこはうまく消せたと思う。ただ、マイボールの時はうまく形を作れず、決定的なピンチを招いた。クロスへの対応でも相手をフリーにしている場面があった。前半は幸運もあったが、プラン通りだった。後半は、前半に引き続き1対1のバトルで負けないようにしようと、勝ち点1でも取りたいという形で臨んだが、FKを取られてから、一瞬の隙で失点をした。ビハインドになってからは点を取りに行かなければならないので、堀米選手と松本選手を入れて、相手の左サイドの背後を突こうとした。なかなか良い形を作れず、後半は二極分化した試合というか、2点目を失ったら結果が決まってしまう試合だった。残念ながら、最後まで点を取れずに終わってしまった。


選手コメント

[試合後]

【金崎 夢生】
前節はホームで不甲斐ない試合をした。今回はアウェイで、しっかりと勝ち点3を取ることができて良かった。良い内容ではなかったけど、勝てて良かった。個人としてもチームとしても、コンディションは悪くない。これからも試合は続くので、頑張っていきたい。

【柴崎 岳】
チャンスを多く作れたことをポジティブに捉えたいと思う。連勝が止まった後の試合で、連敗はしたくなかった。スコア云々ではなく、勝ち点3を取ること。1-0でもいいから、勝つことができればと思っていた。

【遠藤 康】
アシストの場面は、ゴール前に強い選手がたくさんいるので、速いボールを入れたら夢生が反応してくれた。前節は前半の入り方が良くなかったので、今節はスタートからしっかりと戦おうと話していた。守備陣がよく我慢してくれた。感謝しないといけない。

曽ヶ端選手、山本選手、鈴木優磨選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事