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ピックアップマッチ
市立船橋高校 1-2(前半0-0、後半1-2) 鹿島アントラーズユース
高円宮杯U-18プレミアリーグのEAST第18節が12月6日(日)に開催され、首位・鹿島アントラーズユース(茨城)は船橋市法典公園(グラスポ)球技場で市立船橋高校(千葉)と対戦しました。勝てば優勝が決まる鹿島と地元の強豪・市立船橋の対戦とあって、会場には試合前から大勢の観客が詰めかけました。
試合は序盤からピッチのいたる場所で激しいバトルが繰り広げられます。「球際では絶対に負けないよう、ここまで練習に取り組んできた」(熊谷浩二監督)という鹿島に対し、市立船橋も「自分たちは球際で引いてはいけない」と各選手が語るように、両チームの選手たちが真っ向からぶつかっていきます。前半、市立船橋はシュート2本、鹿島は1本に終わったことが、中盤での主導権争いの激しさを物語ります。
拮抗した展開が続いた前半とは打って変わり、後半は早々に試合が動きます。48分、攻撃参加を仕掛けた鹿島の右サイドバック、戸田拓海選手がゴールラインぎりぎりのところで粘ってクロスを上げ、これに反応した大里優斗選手が中央にパスを送ると、FW吉岡樹利也選手が相手GKと交錯してPKを獲得。キッカーの平戸太貴選手がゴール左隅に沈めて、鹿島に先制点をもたらします。対するホームの市立船橋もすぐさま反撃に出ます。53分、DF杉岡大暉選手が工藤友暉選手のCKにヘディングで合わせて、スコアを1-1の振り出しに戻しました。
「心が折れそうになる試合展開」(鹿島・熊谷監督)の中、鹿島は積極的に交代のカードを切ることで攻撃を活性化。67分、石津駿斗選手に代わって登場した色摩雄貴選手が俊足を生かして相手DFにプレッシャーをかけます。すると71分、この日一番のビッグプレーが生まれました。色摩選手が市立船橋DFから高い位置で奪ってペナルティーエリア内に持ち込むと、そのこぼれ球を大里選手が拾って角度のないところからシュート、一度はGKに弾かれたものの、戸田選手がヘディングで押し込み、鹿島に再び勝ち越し点をもたらしたのです。
この後、鹿島は市立船橋の攻撃をしのぎ切って、2-1の粘り勝ち。「シーズンを通して楽な試合は一つもなかった。今日もそうだった」と熊谷監督が振り返るように、鹿島が最終節も僅差の勝負をものにしてEASTチャンピオンに輝きました。
監督・選手コメント
永藤歩 選手(市立船橋高校)
前半は相手CBの裏を狙えば、嫌がるのかなと思いながらベンチから見ていました。でも、鹿島の守備は堅いですし、戦えるチームだなと思いました。自分たちも力強くプレーすることを意識しました。何回かチャンスを得た中で、それを決め切れなかったことが敗因だと思います。プレミアリーグは自分の自信につながりましたし、最終学年の今年はEASTで優勝してチャンピオンシップに進みたかったのですが、こういう結果になって残念です。長期のリーグ戦では、1試合1試合が大事なのだと痛感しています。
熊谷浩二 監督(鹿島アントラーズユース)
予想どおり、厳しい戦いになりました。ただ子どもたちは成長してくれたと、あらためて感じました。心が折れそうになる展開の中、勝ち切ることができました。チームとしてたくましくなったように思います。(得点は)2点とも、あきらめていればそこで終わっていたかもしれませんが、自分たちが追求してきた粘り強さを発揮することができました。賢い戦い方も必要なのかもしれませんが、根本的な粘り強さを追求してきた結果、今回の勝利につながったのかなと思います。
戸田拓海 選手(鹿島アントラーズユース)
決勝点の場面は絶対にこぼれ球がくると思ってゴール前に走り込みました。ボールがきた瞬間、ヘディングで叩き込もうと思っていたのですが、ボールが見えなくて、入った瞬間も分からなかったのですが、周りが喜ぶ姿を見て決まったことに気付き、とにかくうれしかったです。勝因は気持ちで相手を上回ったこと。同点とされた後も、まだ時間があるとチーム内で声を掛け合っていましたし、焦りはありませんでした。この勝利は、最後まであきらめずにプレーした結果だと思います。
町田浩樹 選手(鹿島アントラーズユース)
相手の市立船橋はハードワークする上に足元の技術もしっかりしているので、難しい試合になりました。それでも、11人プラス控えの選手、監督をはじめとするスタッフ、そして応援団のメンバーが一丸となって勝利できたことがとてもうれしいです。得点源の垣田裕暉選手がいない中、攻撃的な選手がボールを収めてくれたので、「自分たちはエースがいなくてもできる」ということを証明できたと思います。チャンピオンシップは絶対に楽な試合にはならないと思いますが、自分たちの成長した姿を見せ、ユース生活3年間の集大成に恥じない試合がしたいです。
その他の試合結果
FC東京U-18 1-2(前半1-1、後半0-1) 青森山田高校
大宮アルディージャユース 3-1(前半2-0、後半1-1) JFAアカデミー福島
柏レイソルU-18 2-2(前半1-1、後半1-1) コンサドーレ札幌U-18
流通経済大学付属柏高校 2-2(前半0-0、後半2-2) 清水エスパルスユース
2位・青森山田高校(青森)は神谷優太選手の決勝点でFC東京U-18(東京)を下しましたが、他会場で鹿島が勝点3を加えたため、逆転優勝には一歩及びませんでした。大宮アルディージャユース(埼玉)は川田拳登選手の2得点などでJFAアカデミー福島(静岡)に勝利し、最終節を白星で飾っています。わずかに残留の可能性を残していたコンサドーレ札幌U-18(北海道)は柏レイソルU-18(千葉)と引き分け、降格が決定。流通経済大学付属柏高校(千葉)と清水エスパルスユース(静岡)は後半に点の取り合いを演じた末、2-2で試合を終えました。