日刊鹿島アントラーズニュース
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2016年2月16日火曜日
◆[新人戦]15年度はこれで7冠!九州制覇の東福岡が新たな優勝旗加える(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?183051-183051-fl
[2.15 九州高校(U-17)大会決勝 東福岡高 1-0 大津高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場C]
平成27年度(2015年度)九州高校(U-17)サッカー大会決勝戦が15日午後に鹿児島県立サッカー・ラグビー場Cコートで行われ、夏冬全国2冠の東福岡高(福岡1)が前年度優勝の大津高(熊本2)に1-0で勝利。今年、高円宮杯プレミアリーグWESTでも対戦する強敵を破って、4年ぶり6回目の優勝を果たした。
2015年度(15年4月~16年3月)は福岡県総体、九州総体、全国総体で優勝し、選手権県大会と年末年始の全国選手権でも優勝。そして3年生が引退し、1、2年生の新チームとして臨んだ今年1月の県新人戦も優勝した東福岡にこの日、新たな優勝旗が加わった。今大会は4日間で計6試合のハードスケジュール。嵐のような天候だった前日に続き、この日は南国・鹿児島で気温4度、暴風/強風注意報も発令される悪天候の中で試合だったが、森重潤也監督は「去年の先輩たちを乗り越えたければ、去年の(新人戦九州大会)3位という成績を(現時点で)上回っているかもしれないけれど優勝という形、なおかつプレミアリーグは多分優勝旗がないと思いますけれど、この九州新人の優勝旗を取ったら、日本で(公式戦で東福岡が)取れる優勝旗を全部持っていることになる。そういう意味での刺激であったり、プレミアリーグで戦う相手に負けないというプライドであったり、付加価値のあるものを全部伝えて最後は『意地で戦いに行け』ということは言いました」という。その言葉に応えるような戦いを見せた東福岡の選手たち。公式記録上では大津をシュート2本に封じて優勝旗を手にした。
前半は一進一退の攻防。追い風を背に攻める大津は1トップのFW藤山雄生(2年)をターゲットに決勝トーナメント2試合で5ゴールのトップ下MF田中匠(2年)やボランチの位置から攻め上がってくるMF山田康太(2年)が攻撃を仕掛けていく。5分には藤山がこぼれ球に反応して左足シュート。13分には右クロスをMF野田和聖(2年)が頭で折り返し、藤山が左足を振りぬく。ゴールライン際を藤山が巧みに突破しかけるシーンもあった。
一方、強風を正面から受ける形となった東福岡だが、CB児玉慎太郎主将(2年)中心としたDFラインが決定打を打たせない。逆に強風の中でボールコントロール際立つ日本高校選抜MF藤川虎太朗(2年)や日本高校選抜MF鍬先祐弥(2年)がボールをワイドへ展開し、そこからの仕掛けで攻め返す。22分には左サイドからのワンツーで切れ込んだ藤川が右足シュート。29分にはCKから左SB小田逸稀(2年)が連続シュートを打ち込む。だが大津も好守で得点を許さない。この日は昨年から主力のGK前田勇矢(2年)が体調不良で欠場したが、U-23日本代表MF豊川雄太を兄に持つGK豊川佳祐(2年)が安定感高い動きを見せて0-0で前半を折り返した。
強風の影響で互いに持ち味のパスワークを発揮できたわけではない。それでも陣地が入れ替わった後半、序盤から東福岡がプッシュ。前日の準決勝で4ゴールを挙げたFW藤井一輝(2年)の右足ミドルなどで攻めると、4分に先制点を奪う。右CKからMF高江麗央(2年)がライナー性の素晴らしいボールを入れると、タイミングよく飛び込んだCB小野楓雅がDF2人の頭上から打ち込んだヘディングシュートをゴールネットへ突き刺した。リードを奪った東福岡は7分にも右SB砂原一生(2年)のクロスがゴール前に入り、16分には藤川のスルーパスから交代出場FW佐藤凌我(2年)が決定的な右足シュート。スペースへのパスに抜群のスピードで抜け出す佐藤や同じく交代出場のMF福田湧矢(1年)が絡んだ攻撃からビッグチャンスをつくり出した。
だが豊川のファインセーブでピンチを乗り越えた大津が終盤に押し返す。向かい風の中、サイドのスペースへボールを運び、MF杉山直宏主将(2年)や田中が絡んだショートカウンター。そして30分には左SB江原萌(2年)のクロスがいい形でゴール前に入るが、東福岡は小田がカバーしてシュートを打たせない。大津の反撃を凌いだ東福岡が1-0で勝利。「前半からずっとそうなんですけど風が強くて自分らのパスサッカーあまりできなかったんですけど、セットプレーでああいう形でも1点取れて結果的に優勝することができたんで満足しています」という小野ら新戦力の台頭に加え、「ボクとか、鍬先とか、小田とか、児玉とか出ていた選手がもっともっとチームに示さないと」という藤川や鍬先が先頭に立って連動したプレスで相手の攻撃を潰し、守備範囲の広く味方の危険を消した小田、DFラインを統率した児玉と選手権優勝メンバーたちもしっかりと存在感を見せた東福岡が頂点に立った。
まだまだ新チームのスタートの段階。当初は選手権優勝の喜びが抜け切れていない選手もいたという。だが、全国優勝したのはあくまで先輩たちであり、自分たちが成し遂げた訳ではないと引き締め、自分たちが試合でやらなければいけないことをそれぞれが意識高く実践してきた。藤川は「ピッチ外のところで食事の前に手を洗ってうがいしてということが今まではバラバラだったんですけどそれを一緒にやったり、練習の時にバッグや靴を並べるとか、朝の散歩でゴミ拾うとか、そういうところからみんな意志統一できて、細かなところが試合にも出たのかなと思いました。(今後)Aチームが練習中は主力になるので、自分たちが気づいて行動で示してみんなに伝えていかないといけない」。
チームは大会期間中に成長したことを感じさせる6試合。「ピッチに立ちたい生徒たちがここにいてくれていると思っていますし、いいプレーをしたら試合には出るんだというところは感じてほしい」と森重監督は6-1で快勝した長崎総合科学大附高との準決勝の先発メンバーを引き続き決勝戦でも先発としてピッチに送り出した。昨年の実績関係なく、アピールした選手が東福岡の代表として戦う。藤川は「もっと去年の3年生を越えていかないと2冠だけでなく、プレミアリーグも優勝できないと思うので、しっかりレベルアップしていきたいと思います」。“全ての優勝旗”をもつ東福岡は日々、高いトレーニングレベルの練習にひたむきに、明るく取り組み、競争を継続し、全力で王者を倒しに来る相手を乗り越えることで、またチームを強くする。
(取材・文 吉田太郎)
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