日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年3月16日水曜日

◆サッカー スポーツによる被災地支援 僕たちが行動起こすきっかけに/福岡(毎日新聞)


http://mainichi.jp/articles/20160315/ddl/k40/050/404000c

関東・東北豪雨水害、川島選手ら募金活動

 国内外で災害が起きたとき、プロスポーツ選手の言動が、人々の心を動かすことは多い。サッカーが、そしてスポーツが被災地支援で果たせる役割は何なのだろうか。東日本大震災から5年を迎えた11日、被災地を思い続けるギラヴァンツ北九州の2選手に話を聞いた。【浅野翔太郎】

 「(もし被災地が)九州だったら、モトが率先してやってるはずだよ」

 モトとは、ギラヴァンツ北九州の本山雅志選手。こう言葉をかけたのは、鹿島アントラーズ時代の同僚だった小笠原満男選手だ。

 小笠原選手は岩手県出身。震災後、「東北人魂を持つJ選手の会」の発起人の一人として、被災地支援の先頭に立ってきた。本山選手は北九州市出身だが、これに賛同し、東北各地でサッカー教室などに加わり、会の活動を支えてきた。そうした熱意が、小笠原選手には印象深かったのかもしれない。

 震災時−−。

 「ちょうどクラブハウスにいたんですが、屋根も落ちて、ガラスも割れて、グラウンド近くの住友金属(当時)の工場も煙で見えなくなっていて……。鹿嶋市でも断水があって、生活するのが大変でしたね」。当時所属していた鹿島アントラーズは、クラブハウスやホームグラウンドのカシマサッカースタジアムが破損。国立競技場でのリーグ戦代替開催なども経験した。

 「誰の身にも起こりうること。東北の復興はまだまだで、復興や被災地支援に関わっている選手もいる。東北への思いはまだ、あせていないし、絶対風化させちゃいけない」と本山選手はいう。

 「地域の支援、声援を受け活動しているクラブや選手が、社会の出来事に関心を持ち、何か起きたときに自分たちがどうしたら力になれるか、そうした意識を下部組織時代から育てていくことも重要」。アントラーズで小笠原、本山両選手らを育成し、ギラヴァンツの野見山篤強化本部長はこう指摘する。

 ギラヴァンツは昨年9月に起きた関東・東北豪雨水害の際、選手らが中心となって、スパイクを出品するチャリティーオークションや、スタジアムでの募金活動を実施した。中心となって活動したのは被災地の茨城県出身で、東日本大震災時にモンテディオ山形に所属していた川島大地選手だ。東日本大震災の時はJリーグも中断し、山形も練習の再開時期が決まらず、川島選手も神奈川の母校の大学で体を動かすなど、もどかしい時期もあったという。

 善意に額の多寡は問題ではないが、ギラヴァンツが贈った義援金は、観客も多い他のJ1チームよりも多かった。熱意が、遠く離れていても人の心を動かすことを示した一つの形。川島選手は話す。「直接関わっていない多くの人が、どれだけ関われるか、助けられるかが、復興や被災地支援では重要になってくると思います。多くの人が支援したい、行動を起こしたいという思いを持っていると思いますが、なかなか大変。やりやすい立場にいる僕たち選手やクラブが、そうした人たちのきっかけになれればいいと思っています」

〔北九州版〕

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