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天皇杯準決勝 鹿島―横浜(2016年12月29日 ヤンマー)
天皇杯の準決勝2試合が29日に行われ、今季Jリーグ年間王者の鹿島は、横浜と対戦する。クラブW杯以降体調不良が続いていたMF柴崎岳(24)の先発復帰が濃厚。起用は2列目の右と見られ、横浜のキーマン、MF斎藤学(26)と同じサイドでプレーする可能性が高い。攻撃の鍵を握るドリブラーを封じて主導権を奪い、チーム6大会ぶりの優勝に王手をかける。
クラブW杯で世界を沸かせた男が帰ってくる。あのレアル・マドリード相手に2ゴールを奪った、衝撃の決勝戦から11日。MF柴崎が準決勝で先発復帰する可能性が高まった。クラブW杯以降は疲労による体調不良でダウン。24日の天皇杯準々決勝・ホーム広島戦はメンバーから外れ、スタジアムで観戦していた。この日のセットプレー練習では主力組に入り、最後のPK練習も1本目で決めて調整を終了。練習後、石井監督は「岳(柴崎)は出られる状況にある」とうなずいた。
サイドの主導権は渡さない。横浜戦の鍵について、指揮官は「サイドに張った選手の攻撃をどう抑えるか。守備意識を高く持たないと」と説明。中でも要注意人物は、鋭いドリブルが持ち味の斎藤だ。DF昌子が「ドリブルは凄い。間違いなく日本1、2位」、MF遠藤も「斎藤学のところを気をつけたい」と名指しして警戒するように、突破を許してしまえば命取りとなる。柴崎は2列目の右に入るため、横浜の左サイドの斎藤とは同じサイド。柴崎が起点となってゲームをコントロールする時間が増えれば、必然的に斎藤のプレー機会も減少。勝機はぐっと増える。
今月7日。クラブW杯初戦・オークランド戦の前日会見で、柴崎は外国人の司会者にこう名前を読み間違えられた。「SYABISAKI(シャビサキ)」。その11日後には正しい「SHIBASAKI」の名が世界に知れ渡った。それでも、決勝では「パスが一本一本重いし、ポジションも細かい」とRマドリードとの差を痛感。海外移籍への思いを改めて強くした。
クラブが最後に天皇杯のタイトルを獲得したのは11年1月1日。その年に青森山田高を卒業して鹿島に入団した24歳は、正月の歓喜をまだ知らない。オファーがあればクラブは海外移籍を容認。思い残すことなく世界へ踏み出すためにも鹿島を2冠へ導く。