いつ、何が起きても不思議はない。日本代表DF植田直通(鹿島)は「覚悟は常に持っている。いつチャンスが来てもいいように準備をしていきたい」と有事に備え、集中力を高めている。
6月の代表シリーズは中盤に負傷者が相次ぎ、6月13日のW杯アジア最終予選・イラク戦(1-1)では同じリオデジャネイロ五輪代表のMF井手口陽介に先発の機会が巡ってきた。「自分もチャンスが欲しいという気持ちはあるし、この大舞台でやってやるという気持ちもある。自分の役割がどうであろうと、チームのために働きたい」。DF吉田麻也、DF昌子源が前を行く日本代表のセンターバックにおいて、虎視眈眈と出番を狙っている。
「代表に来たからには先発を狙うのは当たり前。下からどんどん突き上げていかないと、チームがよくなっていかない」。若手選手として求められる役割も理解する22歳はチームの底上げにも目を向けた。
3日後にはW杯出場を懸けたオーストラリア戦(埼玉)に臨む。対戦相手については「映像も見たし、前回の対戦も覚えている」。自らの強さと高さを生かして相手の攻撃を跳ね返すイメージを膨らませ、「自分(の強み)が生きる相手だと思うのでしっかりと準備したい」と意気込んだ。
背負っているのは日の丸だけではない。鹿島の大岩剛監督やチームメイトからは「頑張ってこい」と送り出され、日本代表に合流。「鹿島の看板を背負っているという意味でも、自分が鹿島を代表してここに来ている」と、2つのプライドを胸に自身を奮い立たせていた。
(取材・文 佐藤亜希子)
「鹿島の看板を背負っている」植田、有事に備え虎視眈眈…下からの突き上げ誓う