日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年8月19日土曜日

◆【鹿島 vs 清水】 ウォーミングアップコラム:負けを認めて次へ生かす(J's GOAL)



試合前の様子は選手によって様々だ。飄々としている選手、自然体の選手、緊張感を漂わせる選手、闘志をみなぎらせる選手。格闘技経験のある植田直通(写真)は、試合前の時間を使って集中力を高めていく。その向かう先は、試合というより仕合。数多のストライカーと斬るか、斬られるかの戦いに身を投じる。黙々とアップに取り組み、仕上げはロングボールのヘディング。渾身の力を込めて球体を遠くへ弾き飛ばす。

気持ちを高めて臨むからこそ負けた後の反動は大きい。目尻はつり上がり怒りのオーラが身を包む。声をかけるのもはばかられるほどに。

ところが最近、そうした様子に変化が見られるようになった。怒りでも哀しみでもない、普通の表情で報道陣の前に現れるようになったのである。

そのことを問われた植田は、少し考えたあと次のように口を開いた。
「最近、そこまで負けを引きずらなくなりました。ミスをすることはある。そこを次で生かすのが、いまの自分の楽しみ」

背が高く、足も速くて、体も強い。日本人離れした植田のフィジカル能力は天下無双と言っても過言ではない。日本代表でもチームメイトの昌子源でさえ「うらやましい」とこぼすほどだ。しかし、それが逆に徒となっていた。

負けたとき、どう対応していいのかわからない。結果、怒り、落ち込み、一人で抱え込む。悪いときにはプレーが縮こまる植田らしくない悪循環に陥っていた。

しかし、いい意味で負けを認められるようになったという。やられたら次はやってやろう、と気持ちを切り替えることができるようになった。
「課題に対して少しポジティブになれていると思う」

今節の清水とは、アウェイで対戦したとき自らのミスで先制点を献上してしまった。その後、反撃の狼煙となるヘディングシュートを決めたものの、それだけではまだ満足できないだろう。

「最近、もっとサッカーを知りたいと思っている」という植田が、どんなプレーを見せてくれるのか注目だ。

文:田中滋(鹿島担当)


明治安田生命J1リーグ 第23節
8月19日(土)18:30KO カシマ
鹿島アントラーズ vs 清水エスパルス

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