[10.21 J1第30節 横浜FM3-2鹿島 日産ス]
これが追われる側のプレッシャーなのか。試合前の時点で2位川崎Fが勝利し、暫定で勝ち点2差まで詰め寄られていた首位鹿島アントラーズは敵地で横浜FMに2-3で敗戦。ここ3試合で2敗目を喫し、2位との勝ち点差は「2」に縮まった。
「優勝するようなチームではないミスが重なった」と振り返ったのはDF昌子源だ。前半3分に警戒していたセットプレーから先制点を献上すると、同14分には自陣でバックパスを受けたDF植田直通のトラップが大きくなったところを奪われ、追加点を許した。
それでも前半アディショナルタイムにCKから1点を返すと、後半21分にも再びCKから植田が名誉挽回の同点ヘッド。2-2と試合を振り出しに戻したが、後半29分に再び勝ち越された。
3失点目のシーンでは横浜FMのDF山中亮輔にドリブルで中に切り込まれ、ゴール前にスルーパスを通された。斜めに走り込んだMF遠藤渓太は鋭いターンでDF山本脩斗をかわし、右足でシュート。GK曽ヶ端準の指先をかすめたボールが昌子に当たってゴールマウスに吸い込まれた。
「ソガさん(曽ヶ端)が触って、微妙にタッチが変わって……。(曽ヶ端が触れなければ)右足でクリアできていたと思うけど、あれはソガさんは流せない。自分がゴールの中に入るべきだったのか……。不運な形だった」
ミスが重なっての失点だったが、昌子は個人のせいにするのではなく、チーム全体で受け止めるべきだと指摘する。「こういう敗戦を喫して、だれかのせいにするのは簡単。でも、(2失点目につながるミスを犯した)ナオ(植田)のせいじゃないし、(1失点目の)マークは(西)大伍くんだったけど、じゃあ大伍くんのミスかというと全然違う。チームとしてやられちゃいけなかったし、チームとして相手の得意な形を出させてしまった」と力説した。
2位川崎Fの“足音”も気になる勝ち点差となったが、「残り4節、全部勝てば僕たちが優勝できる。少し川崎さんを勢いに乗せてしまう敗戦だけど、自分たちのサッカーを取り戻すことが大事」と、ライバルの動向を意識するのではなく、自分たちと向き合うことに集中すべきだと強調した。
(取材・文 西山紘平)
追われる鹿島、ミスから自滅も…昌子「だれかのせいにするのは簡単」