
日刊鹿島アントラーズニュース
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2017年12月2日土曜日
◆【スカサカ!ライブ】名波浩が語る磐田の復興「お前らの一挙手一投足は見逃さない」(サッカーキング)

番組レギュラー解説委員を務める岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く!」ジュビロ磐田名波浩篇~後編が放送された。「前編」の最後は、名波監督の現役最後の試合(08シーズンのJ1第33節、鹿島対磐田戦。1-0で鹿島勝利)の話になったが、そこから話題は意外な方向に展開していった。
◆現役最後の試合

名波浩(以下、名波) 理由あれだから、あなただから。俺の現役の最後のゲームで、あなたが(決めた)あの決勝ゴール! 俺、今でも忘れない。
岩政大樹(以下、岩政) (苦笑)。
名波 あの翌日ここ(磐田のクラブハウス)に帰ってきて、(ハンス)オフト(監督)に、あれFKだったでしょ? 俺、壁だったのよ。壁に入ったのよ。で、蹴ったのが増田誓志(現清水エスパルス)、で、「なぜカードをもらいにいかなかったんだ」と。もっと遅延して、それだったらもっとリズムも狂っただろうし、サポーターも煽っただろうし。だけど普通に蹴られて普通にヘディングされたから、それをオフトは俺に怒って。で、あの1ポイントがあれば、結局最後のプレーオフ(J1・J2入れ替え戦)に出なくて済んだし、っていうね。まあアントラーズにとってはあれが優勝への大きな3ポイントだったんだけど。あれが俺の現役最後のゲーム。Jリーグの。
でも俺はそれが本望というか、アントラーズへの思いが非常に強くて。プロとしてこういうクラブでなければダメだと。こうあるべきだということを、粛々とではないかもしれないけど、20数年間ずっとやり続けてきている。ほとんど残留争いなんかせずに、ほとんど優勝争いしているような、その結果もそうなんだけど、でもプロセスが、「あ~やっぱりアントラーズらしいな」っていうのが非常に多くて。それはシーズンオフの選手の入れ替わりの裏事情もそうだし、もちろん90分間のゲームの構築の中でのバイオリズムもそうだろうし、まあ素敵なクラブだなと。で、俺らずっと勝てなかったから。特に目の上のたんこぶとしてのアントラーズへの思いは強かったね。まあ、清水エスパルスと俺の中では双璧よ。
◆ジュビロ磐田の低迷期について

名波 やっぱりディフェンスはこうあるべきだ、中盤はこうあるべき、FWはこうあるべきというサッカーの視点と、もしくはプロアスリートとしては、もっと言えば人間としてはこうあるべきだというものの欠如が、まあ大きかった、大きすぎた。で、チームの凋落というか、落ちていく段階でそれを立て直したり、もしくは立て直そうと思っていた人間はいたかもしれないけど、それでもやっぱりグループから、自らはがれていくやつらがいるわけで。そいつらに手を差し伸べてグッと引き上げていくやつらがいなかった。まあこれが、大きな原因だと思うんで。
まあ今ちょっとこう、ざっくり言ったけど、もっと細かく言うと、ピッチの中で、紅白戦で味方同士で削って、「すいません」とか「ごめんなさい」とかいう必要はないかもしれないけど、せめて手を差し伸べてね、「ゴメンゴメン」ってジェスチャーだけでもやるとか。もちろんこっち帰ってきてから「今日メシ行こうよ」ってみんなで行っていろんな話をすると思うんだよ。生活であったり、彼女や奥さんの話とか車の話とか、いろいろすると思うんだけど、結局サッカーの話でしょ? サッカー人といったら。我々だって今でも、つまようじを折ったり、コースターを使ったりして、あーだ、こーだやりまくるから。
現役で、ものすごいピュアな心境の時は必ずサッカーの話になる。それがなかった。みんなクラブハウス来て、練習やったら「バイバーイ」って感じで広がって。トレーニング中の会話もほとんどない。トレーニングが終わって、あの練習の中で、これはこうだったね、ああだったねっていうフィードバックもない。それは俺は、プロとしては許せないし、何のためにお金をもらっているか。好きなサッカーで金もらっている。しかも、夢や希望を周りの人に与えるためっていう、そのスタイル、スタンスにならないのかお前らはっていう。

岩政 ピッチの中だけでなく、いろいろなところから改革をしていったということですよね。
名波 そうです、もちろん。だから、クローズ(非公開)はないから俺は。トレーニングはフルオープンだから。それはなぜかって言うと、別にこんなのは美談とかではなくて、見てもらう、見てもらえる環境に常にあることが選手としての成長もそうだし、人間としても教育されていくんじゃないかなっていう。誰も見ていないと、結局身内だけで、なあなあになるか、もしくはさっき言った、ピリピリするのもちょっと違ったピリピリ。仲の悪い同士が。俺だってグループで4対4とか組む時にさ、「あいつとあいつ(組ませるの)やめたほうがいいかな」とか、そんな気を遣いたくないじゃん。そういうのをなくすためにも、やっぱり見てもらうのは大事かなと。
岩政 練習を見ていても、選手たちもプレーすることが楽しそうというか。最初はそうではなかったんですか?
名波 もう全然。ベンチメンバーとかベンチ外にしたら、一気にローテンションになるから。そこのコントロールは非常に難しかったけど、今は競争意識も生まれているし、ちょこちょこ年間の中で言っているのが、お前らの一挙手一投足は見逃さないと。それこそご飯行ったり、飲みに行ったりしても、その時の会話とか態度とかも見逃さないし、ミーティング中、もしくはピッチの中でのトレーニング中、ボールにかかわっていない人間がどうボールにかかわろうとしているかとか、相手にどういうことをさせないようにしてほしいか、考えているかとか、そういうことをなるべく見逃さないようにしているし、一日一言運動じゃないけど、全員となるべく喋れるタイミングはね、持ってますけどね。
◆選手とのコミュニケーションについて

8月に磐田に復帰した山田大記は、名波監督についてこう語っていた。
山田大記 名波さんやっぱりコミュニケーション取るのがうまいし、すごく選手を見ているというのを感じさせてくれるので、それが選手との信頼関係に繋がっているのかなって。若い選手ともコミュニケーションを取るし、自主練習も手伝ってくれたり、僕もそうですけど近い距離で毎日アドバイスをくれるので、選手としてはやりやすいですね。
岩政 バランスというか、厳しさを作るところと、そこがこう、絶妙に作られているなと思うんですけど。
名波 たとえば岩政じゃなくても、他の、特に俺より年下の、一緒に対戦した相手選手によく言われたのは、ひらめきとか、そういうタイプ、感覚でやるタイプの選手だと思われていたけど、俺と同世代や俺より上の人は俺のことを良く分かっていて、俺はやっぱ理詰めの人間だから、計画性をしっかり持ってやっている。それを今の話に付け足せば、今回はこういうふうに接して、次はこういうふうに接しようとか、もちろんメモもしょっちゅう取るし、そのメモの中で今回ああいうふうに言ったけど、次はこういうふうに言おうとか考えたり、今回こういうふうに言っている時に、前回俺こういうふうに書いているぞとか言ってあげたりしながら、温度の上げ下げを選手一人ひとりに寄り添ってやっていく中で、今言ったバランスが整っているように見えるのかもしれないのかなと。整っているかどうかは俺は当事者だから分からないけど。
岩政 つまり一人ひとりに、もしくはその時その時にちゃんと向き合うということ?
名波 うん、そう、それは間違いない。どんな人間でも、だから「あ、こいつはもうダメだ」っていうそのフレーズが最大のNGワードで、次のNGワードが「俺たちの時代は」。この二つはもう俺は一切言わない。聞かれればもちろん、「あの頃どうでした?」って聞かれれば「こういうふうに考えていたよ」とか「こういうふうにやっていたよ」とか言うけど、自分から言ったことはまずない。
◆監督という職業について

岩政 監督をやられてみて、「あ、ここは思ったよりも違ったな」って思われた部分はありますか?
名波 最初にオフトが、「6:4の方程式」というのを、最後俺が引退する時に、言葉として贈ってくれたんだけど、60パーセントは自分の意見、まあ味方として寄ってくるであろうと。40パーセントはそうじゃない。やっぱり反逆児というか、反抗心を持った選手が生まれると。「その『6:4の方程式』をうまくコントロールしなさい」と言ってくれたんだけど、実際に監督をやって、最初はそれをイメージしていたんだけど、実際は「6:2:2」だなと思った。「6」はさっき言ったように、味方になる。「2」が反逆児だとしたら、残りの20パーセントは、どっちにも振られないやつら。だからこの「2」をこっち(味方)に持ってくるか、向こう(反逆児)に行くかは、もうこれは監督の技量だと思うから。
戦術論うんぬんとか関係なく、人間性云々とか関係なく。どこのタイミングでどういうアプローチをしてこっち側に持ってくるかっていうね、その綱引きに勝たなきゃ、監督として長らくできないんだろうなっていうね。で、就任して間もなく俺は「ナーガソン」って言っていて、やっぱり(アレックス)ファーガソン(元マンチェスター・ユナイテッド監督)みたいに、10年20年できるような監督を目指したいと公言していく中で、その20パーセントを取り込めるか取り込めないかは自分の監督人生にも関わってくるから。そこには特化していろいろアプローチしたよね。
12月1日21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、J1最終節・J2プレーオフ特集や、セリエA第15節注目カードプレビューなどが放送される。
【スカサカ!ライブ】名波浩が語る磐田の復興「お前らの一挙手一投足は見逃さない」
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