阪南大のMF山口一真 (4年=山梨学院高、鹿島アントラーズ内定)とMF藤原奏哉(4年=ルーテル学院高、ギラヴァンツ北九州内定)のJリーグクラブ加入内定記者会見が11日、大阪府松原市の阪南大キャンパスで行われた。
これまでに50名以上のJリーガーを輩出する関西屈指の強豪大学から、また新たなプロ選手が生まれた。山口は昨年8月に鹿島内定が発表済みで、すでに鹿島の練習にも参加している。大学時代には3度、アシスト王に選ばれたように実力は確かだ。須佐徹太郎監督は「攻撃的なセンスと、チームの中にプレイヤーとしてスムーズに溶け込める感覚を持った選手。試合に入ると流れがスムーズになるし、キックも良い。この強さと精度で蹴れる選手は、大学になかなかいない。今後、もっとコミュニケーション力を高めれば、得点機会が増える」とプロでの活躍に期待を込める。
山口の獲得に動いた鹿島スカウト担当部長・椎本邦一氏は、「彼のプレーを意識して見たのは大学3年生になってから。大学4年になってからは、獲得しなければいけないと思い、昨年6月には本人と1対1で1時間半くらい話をさせてもらった。やんちゃ坊主とか言われるけど、目を見て話せる純粋な選手だった。技術とサッカーのIQが高く、攻撃のポジションなら、どこでもできると思う」とコメント。鹿島が大卒を獲得するのはFW赤﨑秀平(現・川崎F)以来、4年ぶり。即戦力としての期待も大きく、山口は「試合に出場して、小さい頃の目標だったJリーグで初ゴールを目指していきたい」と一年目の目標を語った。
高校時代から知名度の高かった山口に対し、藤原の知名度は決して高くなかった。阪南大への入学もスポーツ推薦ではなく、AO入試。入学後はCチームから這い上がり、定位置を掴んだ。武器は、豊富な運動量と本職のボランチだけでなく、両サイドバックをこなせるユーティリティー性だが、北九州の強化育成部 強化担当課長を務める平井秀尚氏が評価するのは、ハードワークの部分。「J3での戦いに必要な豊富な運動量と粘り強い守備を備えた選手だが、一番のストロングポイントは危機察知能力だと評価している。すぐレギュラーとして活躍することを期待しているし、今後の北九州を背負っていける人材だと思う」と口にする。
J2のチームからもオファーがあったが、「試合に出た方が成長できると思ったし、平井さんの熱心な勧誘も決め手になった」と昨年末に北九州への加入を決意。「選手の能力が高く、J2と変わらないレベルのチームだと思っています。一年目は、試合に出場するのが目標で、サポーターや監督、チームメイトに認められる存在になりたいと思っています。将来的は日本代表になりたいし、そのためにアピールしたい」と意気込んだ。
(取材・文 森田将義)