“仮想セネガル”として行われた前日のマリ戦。日本代表は不完全燃焼に終わり、1-1のドロー決着となった。一夜明け、FW大迫勇也は「危機感はさらに増した。良くしていかないといけないですね、これから」と試合を振り返り厳しい表情を見せた。
マリ戦では最前線に入ると、体を張ったボールキープで基準点となり、特に前半はゴールに迫る場面を作り出した。しかし、好機を得点へと結び付けることはできず、前半44分にPKで先制点を献上。多くの時間帯で主導権を握った「前半最初は悪くなかった」だけに、「あそこで決めておけば、もっと違った展開になった。先制点を取れなかったのも、取られたのもダメ」と唇を噛む。
そして、背後への意識を強めた後半は攻撃を組み立てられず、フィニッシュまで持ち込む場面は限られた。「ただ単に縦に速い攻撃だけでは無理だと、やっている選手も多分感じている。1本のパスで得点を取るのは難しい」と単調になった攻撃を反省しながら、「1、2本揺さぶるパスが大事。そこで食い付かせれば、裏への意識を引き立たせられる」と変化をつけることで、背後を突く動きを生かせるはずだと続けた。
W杯まで残された時間が限られている中で行われた一戦。反省ばかりが口を突いたものの、「ミーティングでビデオを見ると思うし、ここで言うのもあれだから」と前置きしつつ、「ネガティブなことだけではなかった。良いこともあるし、そこを積み重ねていくのも大事」と詳細は明らかにしなかったがプラス材料もあったと感じているようだ。
次戦ウクライナ戦は中3日で行われる。「次の試合は良くさせないといけないし、良くなると思う。2、3日時間があるから、しっかり皆が整理して次の試合に臨みたい」と視線を上へと向けた。
(取材・文 折戸岳彦)
“縦”がダメなら“左右”に振れ…FW大迫「ただ単に速い攻撃だけでは無理」