“3戦全敗に決まっている”──そんなサッカーW杯ロシア大会前の空気は一変した。6月28日、西野監督率いる日本代表はロシア・ボルゴグラードでポーランド戦の大一番に臨む。FIFAランキング8位のポーランドはグループHで最も格上の相手となる。
「最大のカギはポーランドの絶対的エース・レバンドフスキ(29、バイエルン)を抑えられるか。初戦では、セネガルが組織的な守備でレバンドフスキを孤立させることに成功し、ポーランドは終始リズムを掴めないまま1-2で敗れている」(サッカー誌記者)
西野監督も“必勝の布陣”を敷いてレバンドフスキを中心としたポーランド攻撃陣を抑えにかかる。
「まず重要なのは、レバンドフスキと相対する4バックの中央2枚を誰にするか。西野監督は吉田麻也(29、サウサンプトン)、昌子源(25、鹿島アントラーズ)の2人に決めているでしょう。コロンビア戦では、相手が一人少なかったとはいえ、吉田が相手を潰し、昌子が堅実にカバーリングする組み合わせの妙が出た。直前のパラグアイとの強化試合で昌子のコンディションが良いと見極めた西野監督の起用が当たった格好で、ポーランド戦にもそのままぶつけていくでしょう」(サッカージャーナリスト・財徳健治氏)
今大会はVAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)が導入された影響からか、PKを含めたセットプレーからの得点が目立っている。ポーランドがセネガル相手にあげた1点もFKから生まれた。
「ここから先は、不用意にファウルをする選手は外すという選択を徹底していくことになるでしょう」
そうみるのはサッカー協会元副会長の釜本邦茂氏だ。
「その観点でいえば、コロンビア戦から槙野智章(31、浦和レッズ)をベンチにしているのは正解だと思う。ファウルせずにハードな守備ができるかで評価すれば、吉田、昌子のほうがいい。それを西野監督も分かっているんじゃないでしょうか。あとは守備で考えるべきはボランチ。コロンビア戦では長谷部誠(34、フランクフルト)のファウルによるFKが失点につながったが、長谷部が球際で競り負けて反則で止める場面が目立つようになってきている」
ボランチのうち1枚はコロンビア戦で冷静なゲームコントロールを見せた柴崎岳(26、ヘタフェ)が有力。もう1枚に、長谷部ではなく、山口蛍(27、セレッソ大阪)か大島僚太(25、川崎フロンターレ)の起用を西野監督は考えているのではないかと釜本氏は示唆している。
※週刊ポスト2018年7月6日号
釜本邦茂氏「不用意に反則する選手は外せ」で具体名挙げる