
日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年12月11日火曜日
◇【セルジオ越後】夢があればいいってもんじゃない! 天皇杯とJ1参入プレーオフに覚えた違和感(サッカーダイジェスト)

天皇杯の決勝は魅力には欠けたけど、実力通りの結果に終わった
98回目の天皇杯はレッズの優勝で幕を閉じたね。立ち上がりはベガルタの勢いが上回っていたけど、宇賀神のスーパーボレーで先制すると、あとは堅い守備で1点を守り切った。
正直なところ浦和は、攻撃面ではそれほど魅力のある戦いぶりではなかった。交代も含めて、もう1点取りに行こうという意気込みは感じられなかったね。だけど、とにかくディフェンスの良さが光っていたね。守備陣は終始安定していた。
ベガルタには、そんなレッズの堅守を破るだけのクオリティ、あるいはアグレッシブさがちょっと足りなかったかもしれない。リスクを抱えたボール回しもそれほど多くはなかったし、全体的に見ればベガルタのほうが攻めている時間は長かったようで、レッズが要所を抑えて勝ち切ったということだね。
結局はJリーグの順位通り、実力通りの結果になったと言えるだろう。同じ1対0でも、準決勝のアントラーズ戦のほうが緊迫した展開だったし、事実上の決勝戦と言えたのではないかな。
大会を振り返ると、準々決勝でフロンターレがモンテディオに敗れるなど、J2勢が躍進を見せたり、大学生がJクラブから勝利を挙げたり、と波乱の要素もかなりあった。もちろん、見る側にとってはそうしたジャイアントキリングもトーナメント戦の醍醐味に感じると思うけど、ちょっとJ1クラブの天皇杯に懸ける気持ちが薄かったと思わざるを得なかったね。
ところで僕はこうした日本のすべてのカテゴリーをオープンにした大会で、ACL出場権を争う今のレギュレーションは好ましい状況だとは思わない。アマチュアが出る大会にACL出場の権利を与えてはいけないと思うんだ。確かにアマチュアチームもアジアの舞台につながる道があると考えれば、夢があるように感じられるけど、実際にその舞台で戦い抜ける戦力があるわけじゃない。
逆に日本のトップクラスであるJ1がしのぎを削るルヴァンカップには、相応の付加価値がない。南米のカップ戦王者とタイトルマッチを組むようになったけど、いかにも興行的なイベントで過去に参加したチームの中にはあからさまにメンバーを落とすようなチームも出ているからね。
その大会の趣旨を考えたら、天皇杯はなんらかの付加価値とは別に、名誉ある大会として重んじるべきだし、トップレベルのチームが争うトーナメントにこそ、国際舞台につながる道を開いてほしいと思うのだが、どうだろう?
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もうひとつ大会の趣旨に疑問を感じたのが、天皇杯決勝の前日に行なわれたJ1参入プレーオフなんだ。この大会は、昨年までJ2の3位から6位までのチームでノックアウト方式を戦って、勝ち抜いたチームがJ1に昇格できていたけど、今年はさらにJ1の16位との“決定戦”というのが増えた。
だから、例年であればノックアウト方式を勝ち上がってJ1に昇格できていたはずのヴェルディが今年は、ジュビロとの決定戦を戦うことになった。そして、結果は2対0でジュビロが勝ったんだけど、そのスコア以上に実力の開きが感じられた。
これまでも何度かJ2の6位のチームが、失うもののない強みを生かしてJ1昇格まで駆け上がったことがあったけど、そのたびにJ1の壁に跳ね返されてきた。今回はまさに一発勝負でそれを見せつけられる形になったわけだ。レギュレーションの変更で昇格できなかったヴェルディには気の毒だけど、J1にふさわしいレベルを伴ったチームではなかった。
要するに今季のJ2は大混戦で多くのチームにチャンスが転がっているようには見えたんだけど、実際はJ2の6位とJ1の下位チームとの間には、これだけの差があるんだということを白日の下にさらす結果になっただけ。この試合、毎年やる意味があるのかな。
多くのチームに夢を与えようという意味でやっていることなのかもしれないけど、ただニンジンをぶら下げて、勢い任せで昇格させても1年を通して戦えば、やはり実力の差は当然見えてくるよ。
天皇杯もそうだけど、協会やJリーグはどこか実情から目を背けて、興行優先でのイベントを作っているようにしか見えない。だから興味を引くための一時的な間に合わせでレギュレーションがコロコロ変わるし、一貫性がない。ずっと言い続けてきたことだけど、継続性がないところに強化や発展はあり得ない。やっぱり継続してこそ重みが生まれるし、偉大な夢につながるのだと思うよ。
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