日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2019年3月31日日曜日

◆豊川雄太、ベルギー2年目の7ゴール。 「結果を残せば未来が開けるんです」(Number)






復刻版 ビューティーラッシュ オリジン BEAUTYLASH origin 1....


 豊川雄太という、めっぽう勝負強いストライカーを覚えているだろうか?

 鹿島アントラーズ、ファジアーノ岡山を経て2018年1月、23歳の時にベルギー1部リーグのオイペンに移籍したが、当時チームは2部落ちの危機に瀕していた。しかし3月11日のリーグ最終戦で後半12分から出場。3得点1アシストと大活躍して、1部残留の立役者に。試合終了後にはサポーターに胴上げされた。

「3本打ったシュートが全て決まったんですよ。本当に奇跡のような体験でした」

 豊川は、当時を興奮気味に振り返った。

 この活躍により「TOYOKAWA」の名前がベルギー全土に知れ渡ると、昨年7月から始まった今シーズンも、信頼を得て定位置を確保している。ここまで挙げたゴール数は「7」。これはチーム内2位の数字で、今季も実績を残しているのだ。

 それでも、現地で直撃した豊川はこのように語る。

「今シーズンの前半戦は4点しか取れなかったので少なく感じています。本当は前半戦で7点くらい取りたかったんです。ただ、ここ数試合で3ゴール取れて良い状況になってきました。センターフォワードのワントップをやり始めてまだ浅いので、試合をやるたびに色んな発見があって楽しいんですよ」

ハードなマークを受ける中で。

 豊川は取材場所のカフェで「そんな中での怪我なんで。人生そんなにうまくいかないなと思いますよ」と話し、アキレス腱付近を氷で冷やしていた。その様子は店員からも「何があったんだ?」と質問されるほどだ。

 聞けば、屈強なディフェンダーにアキレス腱付近を激しく蹴られたという。2試合の欠場を強いられたが、幸いにも怪我の症状は軽く、現在はピッチに戻っている。

 冒頭に挙げたハットトリックはインパクト絶大だった。しかしその分、豊川に対するマークは厳しくなっている。今回の負傷はその証左とも言えるだろう。

「1番前(センターフォワード)をやっているので、マークをされている中でも点を取らないといけない。今のチームはチャンスがたくさんあるチームではないので、少ないチャンスを決めることが勝利につながるので常に集中しています。この前の試合(2月16日のオーステンデ戦)みたいにシュート1本で1点とかの試合があるので、決定率を高めることが大事なんです」

ワントップにも慣れ始めた。

 オイペンは昨年に続き、残留争いの渦中にあった。今までに所属していた鹿島や岡山に比べてチャンス数は圧倒的に少ないのだ。だからこそ意識しなければならないことがある。

「チャンス数は少ないですし、相手が警戒してるかもしれませんが、隙は生まれるので常にそこを狙いながらやるようにしています」

 昨年5月に会った際、豊川はすでにワントップで起用されていた。当時は試行錯誤しながらプレーだったが、徐々にこのポジションを自分のものにしつつあるという。

「今シーズンはほぼワントップの位置で試合に出ています。この前の試合で怪我をするまでは全試合に出ていて、最初の2~3節までは左のサイドハーフをやっていました。ワントップで出場した試合で点をとってから定着しています。

 ワントップはやっていて楽しいし、そのポジションで勝負したい気持ちが強いんです。色んな駆け引きや面白い部分を見つけることが出来ていて、試合でうまくいかなかったことをトレーニングでやって少しづつタイミングなどを掴めてきているんです」

 新たなポジションでの手応えを感じる日々。そんな豊川は決して大柄ではなく、身長は171cm。そんな彼が、日本人に比べて遥かに大きくて激しいディフェンダーを相手にどう渡り合っているのか。

「上手い・下手ではなく、ケタ違いに強い。強さ・速さ・大きさが全然違います。コンタクトプレーはしないといけないポジションですが、なるべくしないようにしています。相手に背を向けてボールを受ける時は1~2タッチではたいて、ゴール前に入る動きの繰り返しです」

 ちょこちょこ動きまわることで、大柄なディフェンダーの裏を突くのだ。

ハングリーさを失わないように。

 豊川の充実ぶりはプレー面だけにとどまらない。この1年でベルギーという環境に順応したのも大きい。彼のオープンな性格もコミュニケーションを円滑にしたようだ。

「1年やって慣れちゃったんですけど、それがいいのか悪いのかわからないんです。最初は慣れるまでに時間がかかったし、ハットトリックした時も慣れている段階ではなかったので。

 ただ慣れると甘さじゃないですが、ベルギーに来た当初の『よし、やってやるぞ!』というハングリーな気持ちが薄れているような気がします。当時はベンチに入れるか入れないかの状況で、アピールしようと必死だったし、ミスしたら最初は怒鳴られてましたが、今はミスしてもチームメイトから何も言われなくなってきている。

 その状況が俺はあまり好きじゃなくて。厳しい環境に身を置きたいというのが本音だし、そのためにはこのチームで結果を出さないといけないのが現状です」

上に行くには結果を残すしかない。

 ちょっとミスしただけで“ボロクソ”に言われていた状況から結果を出すことによって、リスペクトもされるようになった。しかしその一方で、刺激が足りなくなってきているのだ。

「そうじゃないと俺は成長できない気がして」

 成長曲線が鈍化している現状に危機感を抱いているのだろう。

「上に行くにはここで結果を残すしかない。最低でも2桁得点はいかないといけないんです。まだ試合は残っているので、ここで点を獲ってゴール数はこだわっていきたい」

 チームへの馴染みぶりは、語学の上達にも理由があるのか。そうかと思いきやここでも豊川らしい答えが返ってきた。

「ペラペラの日本語ですよ! 選手たちにも日本語でしゃべってますよ。少しずつ英語は勉強してますし、わかるようにはなってきましたが、課題ですね。そしてフランス語もしゃべれないと、監督のマケレレ(クロード・マケレレ)と話せないから。マケレレは俺よりは英語が喋れるので、ボードを使って説明してくれます」

「今の俺の実力じゃ全然だめ」

 ベルギーリーグと言えば、鎌田大地(シント・トロイデン)が12得点を挙げて日本代表へ選出され、ピッチに立った。豊川にとって刺激にならないはずがない。

「今は自分のレベルアップの時期と捉えています。大迫(勇也)くんは鹿島で一緒だった時から見ていますが、最近の試合を見てても代表の中では飛びぬけていると思うんですよ。プレースタイルも体格も全然違いますが、参考になる部分がすごく多いんです。

 そういう選手たちと競争していくとなると今の俺の実力じゃ全然だめで、生き残っていくためには課題を克服して手ごたえを感じないといけないです。ゴール数も、それ以外の駆け引きの部分なども、さらなるレベルアップが必要なんです」

 自らのことを客観視する。そして日々の練習で課題に取り組み、虎視眈々と代表の座を狙っている。

「今すぐ、代表でというイメージが中々わかないですが、手ごたえとしては凄くいい状況に来ているので、これをもっと上げていくという作業を続けます。2022年のワールドカップ(カタール大会)には出たいので、今はそれに向けてのレベルアップ期間と考えています。今シーズン2桁取れたら周りの目も変わってきますので、最低10点ですね」

バルサに行った元チームメイト。

 筆者は昨年5月にオイペンvs.シント・トロイデンを取材した。豊川が点を取ったのとは対照的に、シント・トロイデンの冨安健洋には出場機会が訪れなかった。しかしその冨安は現在、日本代表で定位置を確保している。

「上がっていく選手はバーッと気づいたらA代表のスタメンにいるっていう選手もいますし、たぶんトミ(冨安)はそういうタイプなんでしょう。俺はそういうタイプではないので、トミのようにとは思わないですけど。トミはこれまでやってきた結果が出ていると思うので、俺は自分の中での課題をしっかり整理してやるだけです。若くもないので、結果を出してチームも個人も上がっていきたいんです」

 オイペンには冨安と同様、いやそれ以上に大きなステップアップを果たした選手がいる。豊川のチームメイトだったムサ・ワゲという選手は、あのバルセロナに移籍したのだ。

 ワゲはセネガル代表で、ロシアW杯での日本代表戦で得点を挙げたサイドバックである。そんなワゲについて話すと、自らの境遇に重ねながらこう語った。

「俺の家の上に住んでいたんですよ。今じゃバルセロナですからね。ヨーロッパは夢ありますよ! 本当に自分次第です。結果を残せば未来が開けるんです。日本ではこんなことはありませんよね。上に住んでたやつがバルセロナに旅行に行くことならあるかもしれないけど」

人生どうなるかわからない!

 間近でこのようなステップアップを見て、刺激を受けないはずがない。

「成長のスピードを上げていかないといけません。ワゲはオイペンでもベンチでしたからね。プレーオフで怪我人が出てワゲが出てきただけですから。人生どうなるかぜんぜんわからないですって! 毎日どれだけしっかり取り組めるかが勝負だと思っています」

 ベルギーリーグは3月30日からプレーオフ2の試合が始まる。豊川にとって大事な10試合だ。ここで得点を量産して、ワゲのように未来を切り開けるか。

 そして来年はどこの国で会えるのか? 楽しみで仕方ない。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
復刻版 ビューティーラッシュ オリジン BEAUTYLASH origin 1....
価格:5940円(税込、送料別) (2019/3/31時点)


◆豊川雄太、ベルギー2年目の7ゴール。 「結果を残せば未来が開けるんです」(Number)





Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事