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「とても嬉しい」「ありがとう」「みんな優しい」「幸せ」
MFレオ・シルバが24日、34歳の誕生日を迎えた。
天皇杯決勝に向けた練習後、誕生日を迎えた心境を聞いてみると、温かい日本語の言葉がたくさん返ってきた。
レオ・シルバが新潟加入とともに13年に来日してから、丸7年が経とうとしている。新潟から鹿島に移籍して今季で3年目。右ハムストリング筋損傷などに苦しんだ時期もあったが、ピッチに立てば抜群の推進力と運動量を誇る。今季も存在感は際立っていた。
週一回のペースで家族とともに回転寿司に通っていたエピソード。通訳を介す前に番記者の質問を理解してうなずく様子。練習後の駐車場で、頭を下げながら「お疲れ様です」と口にするあいさつ。いつも国籍を忘れて日本語で話しかけたくなってしまう存在だ。
そんなレオ・シルバが今年の10月末、右ハムストリング筋損傷からの復帰直前に語ってくれた話が、私には響いた。
要約すると、「なぜ、笑っているのですか」と聞いた。
チームメートから見ても、レオ・シルバは試合中、楽しそうにいきいきと笑顔でプレーしているのだという。しかも、特に苦しいはずのゲームで。
「サッカーは楽しい。楽しいことをしているから、自然に笑みは出る。それに試合中は時たま“面白事件”が起きたりするから」
にこにこしながら、理由を教えてくれた。
「(笑顔でいることで)自分が伝えるイメージもある。それはチームメートに対しても、離ればなれになっている家族、奥さん、子供に対しても。“元気だよ”という姿を見せてあげなくちゃいけない。サポーターも喜びを感じていることが分かれば、応援したくなると思う」
少し真剣な表情になって言った。
それからまた笑顔になって続けた。
「神様は僕に、サッカーができる能力を与えてくれた。その能力で、日本に来る、ビッググラブでプレーする機会が与えられているので、幸せな状況にある。だから笑顔でいることは当たり前なこと」
レオ・シルバはなぜ周囲から愛され、ファンから愛され、サッカーから愛されるのか。それが「笑う理由」に見えた気がした。年齢を重ねても、サッカーへの愛情と感謝を笑みに込めて、ボールを蹴り続けていくのだと思った。 (波多野 詩菜)
◆鹿島MFレオ・シルバが24日で34歳に。稀代のボランチは、なぜピッチで笑うのか(スポニチ)