日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年1月14日火曜日

◆徹底マークも貫いた献身…静岡学園MF松村優太がタイトル手に鹿島へ「開幕からスタメンを」(ゲキサカ)



松村優太 Yuta.Matsumura


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[1.13 選手権決勝 青森山田高 2-3 静岡学園高 埼玉]

 前評判どおりの突破力、鋭く精度の高いクロス、絶え間ないハードワーク、勝負どころで決め切る度胸——。さまざまな顔を見せた注目アタッカーの冬は最高の形で終わった。静岡学園高MF松村優太(3年)は「みんなで目指して来たところにたどり着けた。こういう形で終われて本当に良かった」と日本一の味を語った。

 大会前の時点では「やるからには自分の大会にするくらいの気持ちでいた」という。しかし、あらゆる試合で徹底マークを受けたことで「苦しんだこともあった」。それでも、準決勝の決勝ゴールで「チームを助けることができた」。最後は「自分だけでなし得たものではないので、チーム全体の大会だったと言える」と仲間と掴んだ日本一に笑顔で胸を張った。

 決勝までの6試合で残した結果は1ゴール2アシスト。合計19得点を挙げてきた静岡学園において、松村がゴールに直接絡んだ回数はそれほど多くはない。しかし、準決勝の拮抗戦を自身のドリブル突破と冷静なPKゴールで勝利に導いた活躍をはじめ、今大会で背番号10が見せてきたパフォーマンスは決して軽視できるものではなかった。

 ひとたび右サイドでボールを持てば、相手選手が2人、3人と次々に集まり、ファウル覚悟で止めにくる。そんなシーンはどの試合でも幾度となく見られた。大会中には川口修監督をはじめ、多くの味方選手から「マークを集めてくれるので他の選手が空く」という声が聞かれた。それは「自分が自分が…」というかつての課題を乗り越えた姿だった。

「自分が自分が……ってなってしまうとチームがうまくいかないので、できるだけ引きつけることを考えている。その中でスキがあれば自分でも行きたいという考えでプレーしていた」。準決勝で奪ったPKゴールも、3回戦と準々決勝でそれぞれ記録したアシストも、少ないチャンスの中でスキを突き、自身の武器である突破やクロスを披露したものだ。

 決勝の青森山田高戦では、周囲の選手がボールを奪われた際に50m5.8秒の快足を活かしてプレスバックする献身性も目立った。「マークが来ることは分かっていたし、それはこの大会を通してずっと。守備でも役割を果たせばチャンスが来ると思っていたし、まっとうできて良かった」。警戒を受けながらもさまざまな形でチームに貢献できるところを見せた。

 日本一が決まった直後には、いち早くスタンドで応援してくれた部員らのもとに向かい、歓喜を分かち合う姿もあった。「一緒に切磋琢磨してきてメンバーに入れなかった人もいるし、そんな悔しい思いをしてもここまで来て応援してくれる。一般生徒も、他の部活の人たちもいる。そういった人の思いもあって結果が出たので、感謝を伝えに行こうと思った」。仲間想いな一面も垣間見せた。

 そんな行動の裏にはどっぷりと浸かってきた“静学スタイル”への誇りもあった。「日本サッカー界に革命的だと思うし、異質なサッカーをしている。こういうチームが増えていけば面白いサッカーができる」。そんな名門校にもたらした24年ぶりの日本一であり、初の単独優勝。「自分たちが名前を残すことができて光栄なことだと思う」と感慨を語った。

 2020年はそんな濃密な3年間で積み重ねたさまざまな経験を胸に、Jリーグの常勝軍団鹿島アントラーズに加わる。「プロを目指す子供たちに憧れを持ってもらえるような選手になりたい」。大きな野望を語った18歳は「開幕からスタメンを狙う。去年は無冠だったので、自分がタイトルに貢献できれば」と2年連続の王座獲得を高らかに宣言した。

(取材・文 竹内達也)




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