日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年2月25日火曜日

◆「うちっぽくはないよね」開幕戦0-3黒星の鹿島、新戦術に挑む“チーム事情”と開始20分の“明るい未来”(サッカーダイジェスト)







多くの選手が海外に移籍し、小笠原満男が引退した今、大黒柱を作ることが難しくなった


 チーム内から「うちっぽくはないよね」という声が聞こえ、広島の選手からも「いつもの鹿島との試合ではなかった」との感想が漏れた。Jリーグ開幕で広島に0-3で敗れた鹿島である。単純なミスから先制点、3失点目を与え、序盤の良い時間帯もミスの連続で自分たちから手放した。展開を読み、風を感じ、いつのまにか自分たちのペースに引き込む。それができずともにスコアでは最後に勝る。これまで見せてきた鹿島の姿ではなかったが、彼らの言葉はそれとは違うところを指していた。

 ザーゴ新監督を迎え、ディフェンスラインからの丁寧なビルドアップで攻撃を組み立てることにトライしている。きれいなキックフォームから放物線を描いていたクォン・スンテも自陣で窮屈そうにパスコースを探し、三竿健斗は東京Vの下部組織時代を思い出して、実践していたかもしれない。鹿島の象徴だった中盤も監督からポジションについての指示を細かく受けているそう。他クラブを見回せば珍しくないが、そういった型にはめたクラブ、つなぐことに専心する戦術に対し、判断力と個の能力で「ぶっ壊してやるぜ」と気概を見せていた鹿島がやっているからこそ新鮮に映る。

 多くの選手が海外に移籍し、小笠原満男が引退した今、大黒柱を作ることが難しくなった。鹿島に関わる誰もが、今でも小笠原の後継者は「三竿しかいない。いや土居だ」と願ってやまないが、かつてそう期待をかけた大迫勇也や柴崎岳、昌子源は今のところそうはなっていない。三竿だって海外移籍を目指している。大黒柱システムや個の能力に頼ったサッカーの継続はいずれクラブの危機を招く。個がいなくなっても影響を受けにくい形。それが型であり、戦術であるならば、今のトライはなおさら合点がいく。

 失点するまでの20分、明るい未来を思い描けた。前線に多くの選手が張り、上下に動いて少ないタッチ数で相手の陣形を崩していく。奪われたらすぐに襲い掛かる。守備の位置はとても高い。昨季までのリアクションサッカーを見慣れた目には、やはり刺激的に映り、チームに血液が流れ始めたように感じた。広島の城福浩監督は「選手は鹿島の守備に圧を感じていた。手こずったのは事実」と振り返った。

 ただ、敵将がいくら認めようが、明るい未来が見えた時間帯があろうが、0-3のスタートを切ったことは紛れもない事実。土居聖真は「新しいものをゼロから作り上げている。みんなそれは分かっている。でも、それを言い訳にしたくないし、しちゃだめだと思う。現に結果が出せていないのだから」と話した。結果やサッカーに対し、今まで通りの鹿島らしさで、鹿島らしくないことに取り組んで、初めて新しい鹿島だけの強さが出来上がる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部



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