短期的な成功に囚われるのではなく……
今季開幕当初のバルセロナではベテランが多すぎると問題視され、30代プレイヤーが非常に目立つチーム構成となっていた。
しかし、予想に反して若手のブレイクが目立つ。17歳のFWアンス・ファティはすっかり主力となり、同じく17歳のMFペドリも高いクオリティを持つことを証明した。
さらに今夏合流した20歳のFWフランシスコ・トリンカオ、19歳DFセルジーニョ・デストも指揮官ロナルド・クーマンより信頼されているようで、前線を中心に一気に若いタレントが入ってきている。
『90min』も、バルセロナが再び若手育成の面で正しい軌道に乗り始めたのではないかと今後の進展に期待をかける。
ファティやペドリのように10代でも才能さえあればリーガ・エスパニョーラで通用することが証明されたため、若手抜擢にもっと積極的になるのではと期待されているのだ。
バルセロナといえば以前はカンテラ(下部組織)で育った選手を引き上げることに力を入れていたが、いつしか高額な移籍金でワールドクラスのタレントを引っ張ってくるようになった。これは明らかに短期的な成功に囚われた補強策で、目先の勝利にこだわりすぎていたところがある。
今のバルセロナでは他にも21歳のMFリキ・プイグ、デストと同じアメリカ人FWとして注目を集める19歳のコンラッド・デ・ラ・フエンテ、昨季にデビューを果たした21歳の大型DFロナウド・アラウホ、もっと下の世代に目を向ければ17歳のMFイライクス・モリバなど才能豊かな若手がいる。
さらに同メディアは、ここに鹿島アントラーズからバルセロナBへと移籍したFW安部裕葵のことも素晴らしい才能の持ち主として紹介している。東京五輪世代である21歳の安部も、クラブが若返りへ力を注いでくれればチャンスが見えてくる。
もちろん簡単にトップチームへ入ることはできないが、ファティやペドリのブレイクで若手に対する視線が変わってきているのは間違いない。今後もこの路線は継続していくべきで、高額補強よりもまずは下のカテゴリーへと目を向けていく方がいいのではないだろうか。