鹿島――三竿は限りなく「7」に近い活躍ぶり
[J1第29節]鹿島3-1G大阪/9月18日/県立カシマサッカースタジアム
【チーム採点・寸評】
鹿島 7
公式戦3連敗、しかも無得点という悪い流れを払拭すべく、闘魂注入。前節からスタメン4人を入れ替えて臨んだ一戦は、前半こそ相手のしぶとい守備に苦しんだものの、52分の先制点から21分間で3ゴールを奪い、一気に畳みかけた。
【鹿島|採点・寸評】
GK
31 沖 悠哉 6
被シュートは合計5本。PKによる失点を喫したとはいえ、ゴールの枠内をとらえるようなシュートがほとんどなかった。
DF
22 広瀬陸斗 6.5
およそ3か月ぶりのスタメン出場。試合勘が心配されたが、立ち上がりから背後への絶妙パスを続けた。そして60分、J・アラーノの頭にピンポイントで合わせ、チーム2点目を好アシスト。
DF
33 関川郁万 6
相手のスローインをカットし、先制ゴールのきっかけを作ったシーンは見過ごされがちかもしれないが、評価に値する。かたや、試合終了間際に不用意な対応からPKを与えてしまい、苦虫をかみつぶした。
DF
28 町田浩樹 6.5
相手の起点を封じるべく、怪我明けとは思えないほど、激しくプレーした。空中戦にも果敢に挑み、自由を与えなかった。
DF
2 安西幸輝 6(90+1分OUT)
タッチライン際を駆け上がり、クロスを供給。味方のシュートにつながらないことが多かったが、トップフォームに戻りつつあることを確かだ。
MF
20 三竿健斗 6.5
中盤を幅広くカバーし、チームの屋台骨を支えた。戦う姿勢を貫きつつ、PKを取られた状況でも落ち着いて対処。限りなく「7」に近いパフォーマンスだった。
MF
21 ディエゴ・ピトゥカ 7
浮き球やダブルタッチで相手をかわすなど、スキルの高さを披露。長い距離を軽快なステップかつ力強いドリブルで突進し、均衡を破る先制点のお膳立てをした。
鹿島――途中出場の土居がチーム3点目をゲット
MAN OF THE MATCH
MF
7 ファン・アラーノ 7(80分OUT)
負傷からの復帰戦ながらキックオフと同時にフル回転。相手守備陣の背後に飛び出し、かく乱した。ゴール前の隙間に潜り込み、活気づく追加点をヘッドで決めただけではなく、決定的なラストパスを何度も送った。
MF
11 和泉竜司 6.5(67分OUT)
ヒールで味方に残したり、サイドを深くえぐったり、自らシュートに持ち込んだり、得点への最終段階で躍動。そのうちの1本でも決まっていたら、と思わずにいられない。
FW
13 荒木遼太郎 6.5(67分OUT)
本人のシュートは相手GKに阻まれるものの、そのこぼれ球に上田がいち早く反応し、先制点につなげた。チーム2点目にも何気なく絡んだ。
FW
18 上田綺世 7(80分OUT)
質の良いランニングによって生まれた自身の先制点はここまでの悪い流れを断ち切るだけではなく、チームに勢いと勇気をもたらした。土居のダメ押しゴールも巧みな“動き”でアシスト。MOMに値する働きだった。
途中出場
MF
8 土居聖真 6.5(67分IN)
ドリブルで一気に持ち込み、ゴール前の視界が開けた瞬間を逃さず、思いきりよく左足を振り抜いた。チーム3点目を叩き込み、相手を意気消沈させた。
MF
松村優太 6(67分IN)
味方とのワンツーパスから右サイドを抜け出し、シュートまで持ち込んだ。持ち前のスピードを発揮した。
MF
17 アルトゥール・カイキ ―(80分IN)
相手のPKが決まってすぐにJ・アラーノに代わったが、その前から準備していた点を踏まえれば、終盤に向けて攻撃面の強度回復を狙っていたことがうかがえる。
FW
9 エヴェラウド ―(80分IN)
終了間際、右サイドをフリーで持ち上がり、迷わず狙ったシュートはクロスバーを大きく越えた。得点への強烈なメンタリティが空回りしている印象だ。
DF
14 永戸勝也 ―(90+1分IN)
アディショナルタイムに入ってからの交代出場。2点のリードを守り、滞りなく試合を終わらせることが与えられた役割だった。
監督
相馬直樹 6.5
チーム2点目の瞬間を振り返ると、右SBの広瀬からのクロスに対してボックス内には5人の味方選手が入り込んでいた。苦境打開に向けて相馬監督が求めた「前に行くエネルギー、パワー」の発露を象徴するようなシーンだった。
G大阪――早急な守備の立て直しが迫られる
【チーム採点・寸評】
G大阪 4.5
後半すぐに先制され、リスク覚悟で前がかりになったところを逆手にとられ、さらに傷口を広げてしまった。1点を返したが、焼け石に水。9月に入ってからの公式戦4試合で10失点と、早急な守備の立て直しが迫られる。
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