【明治安田J1リーグ 第4節 ヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズ 2022年3月11日 19:03キックオフ】
船頭多くして船山に上る、ということわざがあるが、どうやらこの言葉は鹿島には当てはまらないようだ。
今シーズンの鹿島は、土居聖真がキャプテンに就任し、副キャプテンを鈴木優磨とディエゴ・ピトゥカが務めているが、この日のピッチにはもう一人、チームをまとめ上げる選手がいた。昨年までキャプテンを務めていた三竿健斗だ。
この試合で三竿は「キャンプからボランチもセンターバックもどちらもということでやってもらっている」(岩政大樹コーチ)と、ボランチではなくセンターバックでの起用となった。ここまでのリーグ戦ではキム・ミンテと関川郁万のコンビがファーストチョイスになっており、三竿のセンターバックは6日のルヴァン杯以来。その時の相方はキム・ミンテだったが、この日はブエノとのコンビを形成した。
試合が始まると、両チームが鋭い寄せでボールを奪おうという姿勢を見せたが、上回ったのは鹿島だった。前線の鈴木、中盤のピトゥカ、後方の三竿と各所に潰し役が置かれた鹿島は、前後がしっかりしていることで中盤での連動で大きく上回ることに成功した。
■「全体のマネジメントでも彼に助けられた」
神戸はセンターバックの菊池流帆がプレスに動じない強気なボール保持を見せたものの、全体では効果的に前までボールを運ぶことができず。アンドレス・イニエスタ、セルジ・サンペール、武藤嘉紀、大迫勇也という面々が不在の状況で、先発起用されたリンコンが個の力で突破を図る場面が多くなったが、三竿は受け身ではない積極的な守備でそれに対応してみせた。
守備だけでなく、7分にはコーナーキックの流れからブエノの折り返しをヘディングで決めて先制点を記録している。
その攻守の好パフォーマンスに加え「全体のマネジメントでも彼に助けられた」(岩政コーチ)という部分がチームを勝利に導いた。
神戸は55分にイニエスタとサンペールの投入で巻き返しを図ったが、ここで三竿と鈴木が指示を飛ばし合い、チーム全体で神戸の変化にフィット。三浦淳寛監督は85分に槙野智章をフォワードとして投入し、さらに菊池も前線に上げてパワープレーに出るしかなくなってしまった。
土居、鈴木、ピトゥカ、三竿に加え、頼れる存在のクォン・スンテも健在。ピッチのいたる所にキャプテンのように振る舞うことができる選手がいる鹿島は、最後まで神戸の好きにさせず「このスコアは試合前から目指していたもの」「選手たちが神戸戦の勝ち方というものをしっかりと見つけながら戦ってくれて、それが勝利へ繋がった」(岩政コーチ)という結果を手に神戸を去った。
「土居、鈴木、ピトゥカ、三竿に加え、頼れる存在のスンテも健在。ピッチのいたる所にキャプテンのように振る舞うことができる選手がいる」
— 日刊鹿島アントラーズニュース (@12pointers) March 12, 2022
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