日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年4月12日火曜日

◆【番記者の視点】3失点大敗の鹿島 2年ぶりの敗戦対面取材から感じた「変わらぬ空気」(報知)






◆明治安田生命J1リーグ ▽第8節 鹿島0―3横浜FM(10日・カシマスタジアム)

 鹿島は横浜FMの背後を突く攻撃で主導権を握った。奪ってから速く、長いボールを使いながら相手陣地に攻め込む攻撃はダイナミックで、実際にチャンスを作り出した。だが、前半25分のMFアルトゥール・カイキのヘディングシュートはバーをたたき、同41分のFW上田綺世のシュートはGKに阻まれた。長い距離を走る攻撃、決定機損失の代償は疲労となって表れ、DF安西幸輝は「前半30分くらいで足が止まり始めた。マリノスのボール回しがボディーブローのように効いた」と振り返った。終盤は完全に足が止まり、3失点。スコア上は完敗だった。

 試合後、レネ・バイラー監督は「ゲームを読む力が必要だ」と敗因を挙げた。奪う確率が低い相手GKへのバックパスに、2人がプレスをかけたプレーを挙げ、限りある体力を有効的に使うことの必要性を説いた。一方で、試合前は選手に対して「最初からフルで行ってほしい。(体力が)もたなくなったら交代する」と求めているという。同監督の特徴だと感じる、分かりやすい指示は確かにチームのスタートダッシュにつながったが、中3日、気温23度で迎えた横浜FM戦では、大敗の一因にもなった。

 監督が代われば、サッカーが変わり、起用される選手も代わる。試合に出たい選手は監督の指示により耳を傾けようとする。就任してからまだ短期間だが、そのやり方で結果につながり、この日も序盤はチャンスを作った。選手からは迷いなくプレーしていることが感じられた。この状況でアプローチを変える発想は生まれにくく、変えることはもっと難しい。若いチームが一度は踏む道ととらえたが、三竿健斗の言葉で我に返った。

 「試合前から相手の背後が狙い目だと分かっていても、それに対応されてきたら、下(でつなぐこと)から攻める、つなぐことを本当はやらなきゃいけない。正直、今日はうちの2トップの強みに頼ってしまった。誰が監督でも同じです。サッカーをやるのは選手。判断は選手だと思う。このチームでは1試合、1試合勝利が求められている。ホームで負けてはいけない」。

 2年近く続いたオンライン取材から、対面取材が再開されて初めての敗戦。人を寄せ付けない鹿島独特の緊張を感じることができた。このクラブには許容できる敗戦は、1試合もない。当たり前の道を通ってこなかったから鹿島が出来上がった。今も変わらぬ空気がそこにはあった。(内田 知宏)




◆【番記者の視点】3失点大敗の鹿島 2年ぶりの敗戦対面取材から感じた「変わらぬ空気」(報知)





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