■5月21日/明治安田生命J1第14節 浦和レッズー鹿島アントラーズ(埼玉)
悔しい引き分けだった。3万7000人の観衆が集まった埼玉スタジアムでの一戦。因縁の相手である浦和レッズと対戦した鹿島アントラーズは、好機を作り続けながら引き分けに終わった。
開始早々の得点だった。試合開始前まで雨が降って濡れたピッチは、鹿島の攻撃を後押しするための“装置”にも感じられた。レネ・ヴァイラー監督は、前節・コンサドーレ札幌戦のスターティングメンバーをそのまま配置。4得点を奪った流れをぶつけようとし、実際、6分にアルトゥール・カイキがスコアを動かした。
この得点は、FW鈴木優磨の鋭いサイドチェンジが始まりだ。左サイドにいた40番が放ったライナー性のボールは、右サイドにいた和泉竜司の胸にピタリ。11番の攻撃的MFはペナルティエリア付近にいた上田綺世にボールを渡すと、この日本代表FWは相手守備時をいなして鋭いシュート。西川周作がなんとか弾くが、そこに詰めていたのがアルトゥール・カイキ。こぼれてきたボールをダイレクトで押し込み、浦和レッズの大観衆の前でゴールネットを揺らしてみせた。
左サイドにいた鈴木は、この試合を通じて縦横無尽に動いていた。FW登録ではあるが、チームの動きを見ながらサイドに流れたり、あるいは下がったりと、チームの潤滑油となっていた。ライナー性のサイドチェンジも、そのほうがチャンスにつながるという判断だ。上田との2トップは、形にとらわれない最強コンビだ。
■2枚の交代枠を残した指揮官の考え
実際に得点を決めたカイキは、3人目のストライカーとでも言うべきスコアラーになっている。4月13日のルヴァン杯・C大阪戦で得点を決めて以降、これで8試合6得点。リーグ戦に絞っても、直近4試合で3得点と乗りに乗っている。最強2トップに目を向けていると、3人目が出てくる厄介さで、“最強3トップ”と言うにふさわしい補完関係だ。
ただ、それ以上の得点は奪えなかった。チャンスは作り続けたが、決めることはできなかった。逆に、ヴァイラー監督は「良い流れで良い感覚が持てていたので、交代枠が5枚ある中で3枚しか変えませんでした」と交代枠を使い切らない判断をした。試合終盤に足が止まった時間があったとはいえ、それ以前の流れを見れば、そのコメントも納得できる展開だった。しかし、浦和レッズの7試合連ドローに引き込まれるように、スコアを動かすことはできなかった。
同日に試合があった川崎フロンターレが引き分けたため、勝てば再び首位を掴むことができたが、次節以降に持ち越しとなった。最強3トップの躍動で、鹿島は栄冠への道のりを歩む。
◆鹿島アントラーズ、浦和レッズ戦最強“3トップ”が躍動でチャンス量産! 連続好機でヴァイラー監督が交代枠余らせる判断も「連続ドロー」に引き込まれる(サッカー批評)
ヴァイラー監督『良い流れで良い感覚が持てていたので、交代枠が5枚ある中で3枚しか変えませんでした』
— 日刊鹿島アントラーズニュース (@12pointers) May 22, 2022
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