◆明治安田生命J1リーグ ▼第9節 新潟0―2鹿島(23日・デンカビッグスワンスタジアム)
4連敗中だった鹿島が2―0で新潟を下し、6試合ぶりの白星を挙げた。前半3分にFW鈴木優磨(26)がヘディングで先制点、同26分に今季初先発のFW垣田裕暉(25)が追加点を挙げた。クラブワーストの6シーズン国内タイトルから遠ざかり、今季も序盤戦から苦境に直面する名門。必死にはい上がろうとするチームを内田知宏記者が「見た」。
エースが重い空気を振り払った。前半3分、DF広瀬の長いクロスは味方2人、相手DF陣、GKを越え、大外へ。そこに走り込んだFW鈴木が体ごとぶつかりにいくようなヘディングで押し込んだ。「狙っていた形。(広瀬と)試合前にボールが思ったよりも伸びると話していた。うまく合わせられた」。6戦ぶりの勝利を呼び込む魂のゴールだった。追加点は、ユースから昇格後、移籍を経験して昨季復帰した垣田が決め「鹿島のエンブレムをつけて決めたいと小さい頃から夢見ていた」と感慨に浸った。
前節・神戸戦では、ホームで28年ぶり5失点の歴史的大敗を喫した。4連敗で15位に下降。フロントは岩政大樹監督(41)の続投を決めたが、条件をつけた。「どこにスペースを作るか、使うか。やりたいサッカーを言葉には出しているが、習慣化されていない。コーチングスタッフも一緒になって落とし込む必要がある」(吉岡宗重フットボールダイレクター)。
指揮官は早速、動いた。主戦のFW知念、MF藤井を先発から外し、垣田、MF名古を今季初先発させた。名古に相手サイドバックを自由にさせない動きを。垣田には相手DF裏を意識させた。守備時、DFラインと中盤の距離も適正に保たれた。細やかな指示があった。実績ある選手よりも現時点でやりたいサッカーを表現できる選手を優先的に起用。変化をもたらした。
「それ(やりたいサッカー)を基準に起用をしていたわけではなかった。そういう要因も重なり、自分のマネジメントが良くなかったと思う。選手の起用を考える上で、力のある選手を最初から外すことは難しい部分もある」と岩政監督。4連敗。歴史的大敗。続投判断だったが、解任という文字が自身に初めて降りかかり、腹をくくった。そして勝利後、自身の非を認めた。
鈴木を中心に前線の選手で、連係強化を話し合う時間を長く持つようにした。フロントは何度もミーティングを開き、監督に気づきを与える。練習は常に全力。結果が出ない時に、取り組むこと、その姿は今も昔も変わっていない。「1勝で一喜一憂しすぎないように。2連勝、3連勝できるように、またいい準備をしたい」と鈴木。鹿島が踏みとどまった。(内田 知宏)
◆鹿島6戦ぶり勝利 岩政大樹監督に変化「やりたいサッカー」できる選手起用…苦境に直面する名門を記者が見た(報知)
『自分のマネジメントが良くなかったと思う。選手の起用を考える上で、力のある選手を最初から外すことは難しい部分もある』
— 日刊鹿島アントラーズニュース (@12pointers) April 24, 2023
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