アマチュアシードのホンダFCが「日本フットボールリーグ(JFL)の門番」の意地を示した。21日に敵地のロートフィールド奈良(奈良市)で行われた第103回天皇杯全日本選手権1回戦の奈良クラブ戦。昨季のJFLで優勝とJ3参入を許した相手に1-0の完封勝ち(ホンダFCは3位)。小林秀多監督は「いかに奈良クラブにやりたいサッカーをやらせないかを考えた。辛抱強い守備から自分たちの流れで点を取れて勝つことができた」と相好を崩した。
J3で上位につける奈良クラブはリーグ戦で出場機会を得られていない選手を中心に構成。それでも立ち上がりからボールを保持して攻勢をかけた。ホンダFCは布陣を変更するなどして対応し、徐々にペースをつかむと、後半18分に得た右CKからDF川浪龍平が頭で決めて先制。その後は体を張った守りで、パワープレーを仕掛けた奈良クラブの反攻をしのぎ、虎の子の1点を守り切った。
「インスイングで中に入ってくるボールなので、うまくマークを外そうと思った」と得点場面を振り返った川浪は「DFとしては無失点で終われたのが良かった」と破顔。指揮官は「うちのDFは背が高くないので、セットプレーはしっかり取り組んできた」と練習の成果を強調した。
今回が43度目の天皇杯出場となるホンダFCは2019年度の第99回大会でコンサドーレ札幌、徳島ヴォルティス、浦和レッズとJリーグ勢を相次いで倒して8強入りする快進撃を披露した。当時大学生だった川浪は「その時の試合を見て、ホンダFCに入ろうと思った。JFLで優勝するより、天皇杯でJリーグのチームを倒した方が盛り上がる。きょうのミーティングでも、天皇杯で優勝しようと目標を掲げた」と打ち明けた。
ホンダFCはJリーグ入りを目指すチームの前に立ちはだかり、参入を阻んできたことから「JFLの門番」と呼ばれる。今季は故障者が相次ぐなどして9位と苦しんでいるが、一発勝負の天皇杯は別物だ。
2回戦の相手は2019年度の準々決勝で敗れた因縁の鹿島アントラーズ。「鹿島の壁を越えるために相手をリスペクトし過ぎずに臨みたい」と小林監督。奈良クラブの次は鹿島アントラーズ。「鹿」のイメージがある相手に下克上を続け、「ディアハンター」の異名も手にできるか。(北川信行)
◇「JFLの門番」ホンダがJ3奈良破る下克上…鹿島も撃破し「ディアハンター」となるか(産経新聞)
「2回戦の相手は2019年度の準々決勝で敗れた因縁の鹿島アントラーズ。『鹿島の壁を越えるために相手をリスペクトし過ぎずに臨みたい』と小林監督」
— 日刊鹿島アントラーズニュース (@12pointers) May 21, 2023
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