北浦に架かり、茨城県鹿嶋市大船津と潮来市洲崎をつなぐ国道51号新神宮橋(1・8キロ)の4車線化に向けた橋梁(きょうりょう)工事について、国土交通省常陸河川国道事務所は2023年度、鹿嶋市側の橋桁設置工事に入る。完成開通時期はまだ明確とはなっていないが、サッカー・Jリーグ1部・鹿島アントラーズのホームゲーム開催日などの渋滞緩和が期待され、早期完成が待たれる。
同橋は国道51号鹿嶋バイパスの一部として、2002年に暫定2車線で開通した。その後、18年に新神宮橋の隣に新たに2車線分の橋の整備工事が開始された。完成すれば幅員計約25・5メートルの4車線となり、1日当たり平均約3万台の交通量を見込んでいる。
同事務所によると、これまでに両側の橋台を設置。23基設置予定の橋脚については4基が検査まで完了し、工事中は10基、6基が発注済みで、残り3基は来年度以降の発注となる。本年度は橋脚設置をさらに進めるほか、橋梁上部の24径間のうち6径間分を発注し、橋桁設置の工事が始まる予定だ。
総工費は335億円を想定。事業進捗(しんちょく)状況は昨年度末時点で約4割だという。本年度は約21億8300万円の当初予算が計上されている。
今後の見通しについて同事務所は、湖の中の工事で制約があり、橋脚については深さ約60~65メートルのくいを打っていかなければならない難工事のため、「まだ未発注部分もあり、完成開通時期を出せる状況ではない」と説明。その上で「しっかり必要な予算を確保して地元の期待に応えたい」としている。
7月10日には鹿嶋、潮来、神栖、行方4市の首長と議長で構成する国道51号鹿嶋・潮来バイパス建設促進期成同盟会の通常総会が行方市内で行われ、会長の原浩道潮来市長は「鹿行地域全体の産業の振興に大きく寄与することが期待される」とあいさつし、早期完成を訴えた。8月には国土交通省や財務省などへの要望活動を実施する予定。
一方で、新神宮橋の下流側にある神宮橋については11年の東日本大震災以降、橋脚のひび割れや沈下、傾斜が生じており、当面は補修・点検をしながら供用を続けているが、4車線化工事が完了した後、撤去する方針に変わりはない。
◆橋桁、2023年度着工へ 新神宮橋4車線化 茨城・鹿嶋-潮来(茨城新聞)