日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年8月29日火曜日

◆成長プロセスの真っ只中。鹿島GK早川友基がこだわるクリーンシート。指揮官は「もっと上を目ざせる」と期待(サッカーダイジェスト)



早川友基


他クラブの戦績をくまなくチェック


[J1第25節]鹿島 2-0 新潟/8月26日/県立カシマサッカースタジアム

 絶体絶命のピンチをGKの好セーブによってしのいだ瞬間、チームの雰囲気は俄然、盛り上がる。それが一度や二度ではなく、再三再四にわたり繰り返されるとなれば、仲間たちからの信頼を得られ、絶対的守護神に相応しい存在へと上り詰めていくことだろう。

 その成長プロセスの真っ只中にいるのが、2021年に明治大から鹿島入りし、プロ3年目を迎えたGK早川友基だ。

 昨季のJ1リーグ終盤5試合に連続フル出場を果たし、今季も開幕からここまでの25試合でスタメンに定着。不動の第一GKとして鹿島ゴールを守り続けている。

 抜擢した岩政大樹監督は、早い段階から早川のポテンシャルと将来性に注目していたことを、次のように明かした。

「最初に見た時から、能力の高いゴールキーパーだなと感じていました。足もとの技術があって、ビルドアップが上手いし、身体の使い方がすごくしなやか。どのタイミングで公式戦に起用し、試合経験を積ませていくか。そこの判断は迷った部分ではありますけど、早めに(起用に)踏み切りました」

 期待に違わぬ新・守護神の進化に、指揮官も頬を緩めている。

「特にこの1か月、2か月を見ていると、彼が自信を持ってプレーしていることが攻守両面でチームに良い影響をもたらしています。個人的には、もっと上を目ざせるゴールキーパーだと感じています」

 早川の特長のひとつは、シュートに対する反応の良さだろう。8月26日のJ1第25節、新潟をホームに迎えての一戦でも見事なセーブを披露し、チームを救った。81分、一瞬にして生まれたゴール前のエアポケットを上手く使われ、至近距離からのシュートを浴びたが、冷静に右手で弾き出した。

 鹿島が2-0でリードしていたとはいえ、ここで1点でも返されたら、間断なく攻め立ててくる新潟だけに、その後、どうなっていたか分からなかった。試合の流れを大きく左右するビッグプレーだった。殊勲者は、こう振り返った。

「シュートストップにはもともと自信がありました。シュートに対する構えとか、とっさの判断とか、試合に出続けることで、引き出しが増えました。良い準備ができていたからこそ、良い反応ができたと感じます。(突然、訪れるような)ああいうピンチの瞬間は実戦のなかでしか味わえないというか、どんなにトレーニングしていても感覚的に掴み切れない部分なので、ここまでの試合経験がすごく活かされていますね」

 そして、何よりクリーンシートで終えられたことを喜んだ。

「自分自身、そこにはすごくこだわっていて、浦和とか、神戸とか、(今季のJ1における)クリーンシートが11試合で、僕らと並んでいました。これで鹿島が12試合目になりましたけど、チームの士気を上げたり、もう一度、引き締める意味でも今日の無失点は大きいと思っています」

 クリーンシートに関して、他クラブの戦績をくまなくチェックしているのか、と軽い驚きを覚えので、その点を問うと、早川は「していますね、もちろん!」と即答だった。

 プロの舞台に立ち始めた頃は「自分のことで精いっぱいだった」と語る守護神も、今では「少しずつ周りが見えてきて、ゲームの流れを読めるようになってきた。一つひとつのプレーの判断だったり、状況に応じたコーチングだったり、まだまだ質を高めていかなければいけないけれど、そこはすごく成長を感じているところです」と胸を張った。

 クリーンシートで試合を終えられれば、チームが負けることはない。最後の砦といわれるGKの早川は、そこに今後も挑み続ける。

取材・文●小室功(オフィス・プリマベーラ)




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