サッカーU―23(23歳以下)日本代表のパリ五輪アジア最終予選がいよいよ迫ってきました。U―23アジア杯(4月15日―5月3日・ドーハ)で3位までに入れば出場権をゲットできます。4位だとアフリカ予選の4位とプレーオフという過酷なスケジュールが待っています。
予選突破のキーマンがMF荒木遼太郎(22)=FC東京=です。五輪予選前最後の強化試合となった25日のウクライナ戦(北九州)で躍動していましたよね。
荒木のいいところはサッカーをプレーする上での①感覚②技術③アイデア―の3つです。攻撃の選手はひとつでもあれば十分戦っていけるのですが、この3つを全て兼ね備えている選手はなかなかいません。Jリーグでは屈指の攻撃力をもった選手です。
2020年に強豪・東福岡高からJ1鹿島に入団。22年からは「10番」をつけるほど期待をかけられましたが、伸び悩みましたよね。その理由は、近年の鹿島は戦術でインテンシティ(強くて激しいという意味)が要求されました。残念ながら荒木に強さを求めてもそれは酷というものです。
今季からFC東京に期限付き移籍し、開幕から4試合で4ゴールと攻撃の選手として目にみえる結果を出しています。それは東京に同じく攻撃の選手で高校時代から注目されていた松木玖生(20)がいるのが大きかったですね。松木もU―23に飛び級で招集され、2人の相性の良さもウクライナ戦で随所に発揮されました。
日本は五輪予選の1次リーグで中国、UAE、韓国と同組。確かに厳しいですが、荒木の感覚と技術とアイデアがあれば十分対抗できますから。ぜひパリ五輪の切符を取ってほしいです。 (元J1横浜監督・水沼貴史)
◆パリ五輪予選突破のキーマン、荒木遼太郎が兼ね備える3要素 強さを求めてもそれは酷…Jリーグ屈指の攻撃力(zakzak)