
日刊鹿島アントラーズニュース
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2024年5月15日水曜日
◆ベトナムサッカー界に新風 元鹿島のハノイFC岩政監督の使命感と充実感「成果出始めている」(ニッカン)

昨季まで鹿島アントラーズで監督を務めた岩政大樹氏(42)が今年1月から指揮を執るベトナム1部ハノイFCで同国サッカー界に新風を吹かせている。前線の外国人ストライカーを並べてロングボールを多用するスタイルが主流のベトナムで、DFラインからボールをつないで崩しきるスタイルに挑戦している。
「鹿島を離れる時にたくさんアイデアがあった。去年預かったメンバーでやって、次の段階に進んでいろいろとやろうと思っていた。そこで具体的にハノイからオファーをもらった。よくわからないけど行ってみてチャレンジしてダメだったら諦めればいいかと」
ベトナムサッカーはベールに包まれている。タイやカンボジアといった東南アジア諸国に比べて日本にはなじみが薄い。越田剛史氏がベトナムサッカー協会のテクニカルダイレクターに、井尻明氏が女子サッカーテクニカルアドバイザー・育成女子代表監督に就任した例はあるが、過去話題になったのは三浦俊也氏(18年ホーチミン・シティFC)、霜田正浩氏(21年サイゴンFC)が監督を務めたことや、松井大輔氏(21年サイゴンFC)が選手として参戦していたくらい。
監督就任から約4カ月。岩政氏は「日本人がこれまで活躍していない、来ていないことによる難しさを身に染みて経験させてもらった」としみじみ振り返った。まず直面したのは通訳問題だった。日本とベトナムのサッカー現場を経験した通訳者が少ないことから、担当者にはサッカー用語を一から伝えねばならなかっったという。「選手ならいいけど、監督は指示を出さないといけない。最初に感じた難しさ」。
生活面での不便はなく、スタジアムやホテルの立地はどこも抜群にいいが、細かい契約面で難しさを感じている。「お金の払い方とかが外国人仕様になっていない。どこの国も突き当たって開拓してくれたんだと思うんだけど、ここはぼくがやるしかない。3カ月(取材時)経つけど、まだまとまっていない(笑い)」。ベトナム人の気質なのか、「やります」と言うものの、そのまま止まっている案件がいくつもあるという。「できないならできないと言ってくれ」と言うと、「できます」と返ってくる。「建前でとりあえずやりますと言うんですよね。でも全然進まない」と不思議がる。そんな文化の違いもパイオニアの宿命だと受け入れている。「僕の印象で今後が決まってくるんだなと、覚悟と責任が必要。契約とか1つ1つ解決しながら、日本人の信頼、日本とベトナムの未来の関係づくりをやってきたのは良い経験させてもらっている」。
未知だったサッカー面は良い意味でサプライズだった。「ボールを持つことに関してはかなりできる選手が多い印象」。ただ、ベトナムリーグでは体格の優れる南米系やアフリカ系のFWを2トップにおいて、ロングボールを蹴り入れるスタイルが主流。グランドの悪さもそれを助長しているという。「ベトナム人は体格が小さいので、CBはなかなか対応しきれない。ここを解決するのは難しい」。
岩政氏は、技術の高いベトナム人の特性を生かしてボールを動かす異色のスタイルに挑んでいる。
「割り切って、ボールを動かして崩すのをやっていこうぜと。実際にすごく成果が出始めている。十分これで勝てるというのを少しずつ見せられている。このチームのサッカーがベトナムサッカーに変わっていってくれれば良いなと思っている」
実際に外国人FWを起用せずに勝利した試合もあった。決定力不足は否めないため、チャンスクリエイトを増やす必要があるが、何より選手たちが楽しんで取り組んでいる。「パスを出し入れして、誰を食いつかせてスペースをどう使うか。動かすこと持つことが目的ではないと説明した」。理論を理解した選手たちは成功体験を経てより自信を深めた。勝つためにボールを握って崩すことが自分たちの特性に合っていることに気づき始めている。クラブに複数人いる代表選手は、3月に解任されたトルシエ監督に代わるベトナム代表監督に岩政氏を推薦しているほどだという。
5月はリーグ戦で連戦が続く。A代表だけでなく、アンダー世代の世界大会でもリーグが中断するのが同国の特徴だ。4月はU-23アジア杯カタール大会の影響で試合がなく、その分を5月に消化する。6月の代表ウイーク後にも過密日程が待っている。「数人に頼ったチーム作りしていないからうちは連戦が有利。5、6月の連戦でみんなで戦っていけるから、上までいけるかなと」。1月に8位で受け持って、現在7位。5位までは勝ち点差2で、2位とは7差と混戦状態だ。一気に上位に浮上する可能性を秘めている。カップ戦では8強に残っているといい「そっちでタイトルをとれれば」と狙いを定めている。
監督としての充実感が表情にあふれ出ている。異国での取り組みが軌道に乗っている証拠だ。「40歳で鹿島(の監督)をやって、42歳でベトナムでハノイをやっている。40代でこんな経験している人はなかなかいないから、50歳の時、アドバンテージになっているんじゃないかな」。使命感を持って日越サッカー界の架け橋になりつつ、監督キャリアの中で確かな手応えをつかんでいる。【佐藤成】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)
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