日刊鹿島アントラーズニュース

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2013年7月12日金曜日

◆【J1:第15節 鹿島 vs 清水】レポート:チーム全体が一丸となって戦う姿勢が復活!鹿島が難敵清水を3-1で下し連敗を3で止める(J's GOAL)


http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00158218.html

7月10日(水) 2013 J1リーグ戦 第15節
鹿島 3 - 1 清水 (19:04/カシマ/7,495人)
得点者:19' 伊藤翔(清水)、32' ジュニーニョ(鹿島)、80' 青木剛(鹿島)、84' 野沢拓也(鹿島)
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ぎこちなく喜ぶ青木剛に、ジュニーニョが抱きつくなど選手たちが手荒な祝福を加える。しかし、公式戦3連敗で迎えたホームゲーム、ましてや鹿島OBの内田篤人氏が見に来ている試合となれば、絶対に勝たなければならない。そんな状況のなかでの勝ち越し弾の重要性は誰もがわかっていた。センターサークル付近で青木を迎えた小笠原満男が、殊勲者を改めて迎える。2人はそっと両手を合わせて喜びを分かち合うと、すぐに再開する試合へ気持ちを切り替えるのだった。

試合は簡単なものではなかった。
「今日の試合、選手たちは、1-3で負けるよりももっと大きなものに値したと思っています」
敵将のゴドビ監督は、そう試合を総括している。確かに、序盤こそ良い入り方をした鹿島だったが、19分にCKから清水の伊藤翔に先制点を許したことで、試合の流れは一気に悪化した。特に先制点を許す展開は、公式戦7試合連続のこと。嫌でもここ3試合のことが頭に浮かび、特に若い選手たちは焦りを感じさせるパスミスを連発し、なんとか小笠原が試合を落ち着かせようと苦慮するような状況だった。しかし、その状況を救ったものがあった。意欲的に取り組んだ練習である。「うちのスカウティングと練習の賜物」と青木が胸を張る。試合前日に取り組んだ練習通りの形で右サイドを崩すと、大迫勇也が突破のドリブルを仕掛ける。シュートは惜しくも阻まれたが、跳ね返りをジュニーニョが冷静に流し込み同点に追いつくのだった。
後半は、一進一退の攻防が続く。しかし、75分に本山雅志がピッチに立つと状況は一変。鹿島が流れを完全に掴み、80分に青木、84分に野沢拓也がゴールを決め、結果としては3-1の快勝を収めた。

「前半はかなり良い時間帯もありましたし、守備も手堅くできていたのであの失点は残念でした」
村松大輔が悔しがるとおり、結果としては鹿島の同点弾が大きく試合を左右した。もしジュニーニョの得点が決まっていなければ、もしくは清水に追加点が入っていれば、この試合の展開はまた違ったものになっていただろう。後半にも、バレーや伊藤翔が体をはってキープしたボールを繋ぎ、サイドバックが高い位置を取る時間をつくれていただけに、ちょっとした差が勝敗を大きく分けたと言える。しかし、だからこそ鹿島が乗り越えたものは大きい。
3試合で9失点と守備は崩壊気味で、チームは自信を失いつつあった。連戦中のため立ち止まることは許されず、すぐに次の試合が目の前に迫ってくる。目を背けたくなる現実と向き合うのは苦しかったはずだ。
「ちょうどチームに変化を感じられたのが、あるいは手応えがあったのが、2日前の練習のときでした。選手たちが見せた姿勢、練習に取り組む意欲というものも違っていました」
トニーニョ セレーゾ監督は、月曜日の練習でチームが変化する手応えを感じたという。特に今回の試合は「失点数を考えたとき、なにかを改善しなくてはなりませんでした」と言うように、野沢、岩政大樹というこのチームの中心を担ってきた選手をスタメンから外す選択をして迎えた試合だった。それでも、そうした選手たちが「文句の言いようがないすばらしい姿勢を示してくれた」(セレーゾ監督)ことで、チームは一丸となって勝利に向かうことができたのである。
同じことはCKから決勝弾を決めた青木も口にしていた。
「サコ(大迫)がマークを外してくれたから自分がフリーになれた。ゴールした人が目立つかもしれないですけど、なかでいろいろな工夫があってのゴール。1人のゴールではなくみんなのゴールだと思います」

戦術的には、センターバックからのビルドアップが大きく改善されたことは見逃せないポイントだが、それ以上にバラバラになりかけていたチームが再び1つにまとまった手応えがある。それを試合で出せたことを監督は「勝点以上のもの」と表現した。今季の鹿島のターニングポイントになりそうな勝利だった。

以上

2013.07.11 Reported by 田中滋

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