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7月13日(土)J1 第16節 柏 vs 鹿島(19:00KICK OFF/国立)
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毎日のニュースでは“観測史上初”との言葉を頻繁に耳にする。この記録的猛暑の中での連戦とあって、どこのチームも体力的な消耗は激しく、スタメンに名を連ねる11人だけではなくサブやベンチ外のメンバーを含めたチーム全体の総合力というものが勝敗の行方を左右する。柏に限って言えば、前節の湘南戦では太田徹郎、茨田陽生といった交代出場の選手が活躍して勝点3を得たことはプラス材料であるし、その他にも澤昌克、狩野健太らの戦列復帰によって『選手層の厚さ』というものは中断前に比べ徐々に整いつつある。
「今の自分たちの課題は勝ち癖をつけること。上との差を縮めるために自分たちは勝ち続けないといけない」(大谷秀和)。AFCチャンピオンズリーグ、ヤマザキナビスコカップの試合を挟んでいたため見落としがちになるのだが、リーグ戦では前節の湘南戦は柏にとって5試合ぶりの勝利だった。大谷の言葉にもある通り、今年の連勝は第10節横浜FM戦、第11節磐田戦の1度きり。ACLやヤマザキナビスコカップの好調とは対照的に、リーグ戦では不安定な戦いを繰り返し、いまだ上昇の足がかりをつかめずにいる。大谷は「鹿島は力のあるチーム」と前置きをした上で、「その鹿島相手に連勝できれば自信にもつながる。勝ち癖をつけられるような勝ち方をしたい」と強い意気込みを語る。
鹿島は前節の前まで公式戦3連敗、その間の失点が9と苦しい状況が続いていたが、清水戦ではセットプレーから先制こそ許したものの、90分をトータルで見れば安定した戦い方ができており、悪い流れをしっかりと断ち切るあたりはさすがである。これを機に連勝を重ねて一気に優勝戦線へと漕ぎつけたいところであろう。
昨シーズン、柏と鹿島の対戦成績は、リーグ・カップを合わせて柏の2分2敗。しかもヤマザキナビスコカップでは決勝進出を阻まれ、リーグ最終節では勝てばACL出場権内の3位に食い込めるという状況であったにもかかわらず、0-2と完敗を喫した。
昨シーズンの対戦では鹿島が誇る若い才能にやられたという感が強い。中盤では柴崎岳が常に嫌なポジションを取り、柏の守備がうまくはぐらかされて攻撃の起点を作られ、さらに大迫勇也には4戦5発と“柏キラー”ぶりをいかんなく発揮された。前節の清水戦でも、ジュニーニョの同点弾は大迫の突破が引き金となって生まれたもの。小笠原満男、ダヴィ、ジュニーニョなど経験豊富な実力者が多く、清水戦では途中から出場した野沢拓也がゴールを挙げたりと、当然全選手に対して警戒の念を抱かなければならないが、どういうわけかスポーツの世界には“相性”というものが存在するため、柏からすれば特に大迫には細心の注意を払わなければならない。
湘南戦では3バックで臨んだ柏だが、おそらく鹿島戦では4バックで行くと見るのが妥当。ただしシステムに関係なく、柏に求められるのは攻撃陣のボールを引き出す動きである。湘南戦でリズムをつかめなかった原因は、クレオ、工藤壮人、田中順也といったストライカータイプを並べたことによって攻撃陣が前線に張り付き、後方からパスの出しどころがなく、前線にボールを蹴り込む裏一辺倒の戦いになってしまったことが挙げられる。湘南戦の反省を生かすのか、それともネルシーニョ監督が2列目に澤、狩野、茨田、ジョルジ ワグネル、いずれの選手を置くことで流れを生み出そうとするのか。ただひとつ確実に言えるのは、単調な攻撃では鹿島の守備を射抜くことは到底できないだろう。
冒頭でも述べたように連日の酷暑。選手層の厚さ、交代という部分も、技術・戦術並みに勝敗を大きく占う要因となるはず。ともに連勝を狙う両者、予想もしなかったフレッシュな存在が大活躍し、勝利をもたらしたとしても全く不思議ではない。
以上
2013.07.12 Reported by 鈴木潤