http://web.gekisaka.jp/401900_124287_fl
[8.28 J1第23節 清水4-3鹿島 アイスタ]
13位・清水エスパルスが、交代出場のFW高木俊幸のハットトリックの活躍によって4-3で鹿島アントラーズに逆転勝ちした。
試合はFW大迫勇也の電光石火の一撃によってアウェーチームがリードを奪う。キックオフからわずか12秒、鹿島は右サイドでの鋭いターンでDFを振り切ったMF遠藤康が一気に前進。そのまま左足アウトサイドでラストパスを送ると、ニアサイドへ飛び込んだ大迫が右足ダイレクトでゴール左隅へ流し込む。
圧巻の“ノーホイッスルゴール”。この日出場停止のMF小笠原満男に代わってキャプテンマークを巻いたエースがいきなり鹿島に1点をもたらした。幸先良くリードを奪った鹿島はさらに畳み掛ける。6分、遠藤の左CKをファーサイドのMF山村和也がヘディングシュート。DF2人の頭上から叩きつけた一撃はワンバウンドしてゴール右隅へ吸い込まれた。
一方の清水はFW大前元紀が鋭いターンから縦へ仕掛け、FWラドンチッチの力強い突進が相手のファウルを誘う。9分にはそのラドンチッチが右中間から放った左足FKがゴール左ポストを直撃。そして16分にはショートカウンターから右サイドをえぐると、その折り返しを受けたMF本田拓也が切り返しでDFをかわして左足シュートを放つなど反撃した。
2-0で試合を進めていた鹿島はここでアクシデント。本田のシュートをスライディングでブロックしようとしたMF柴崎岳が左足首を捻ったか、負傷交代を余儀なくされてしまう。すると清水は31分、相手のクリアミスを拾ったMF河井陽介が右サイドからクロスボール。これをDFの背後でコントロールしたラドンチッチが右足でゴールへ沈めた。さらに45分、ディフェンスラインからのフィードをラドンチッチが後方へそらすと、PAへ走りこんだ高木俊が頭でゴールへ押し込み、2-2の同点に追いついた。
清水の勢いは止まらない。後半4分、中央でポストに入ったラドンチッチが左サイドからPAへ走り込んだ高木俊へスルーパス。これを高木俊がコントロールから右足で勝ち越しゴールを叩き込んだ。鹿島も21分に遠藤の右CKをファーサイドの山村が折り返すと、対応した清水DFカルフィン・ヨン・ア・ピンがPA内で痛恨のハンド。幸運な形でPKを獲得した鹿島はキッカーの大迫が右足で右隅へ流し込んで3-3の同点に追いついた。
激しい撃ち合いとなった試合は終盤、清水が高木俊のラストパスをFW伊藤翔が決定的な形で合わせ、鹿島もセットプレーからCB岩政大樹がヘディングシュートを放つ。そして42分には山村の絶妙な右クロスを大迫がワンタッチでゴールへ押し込もうとした。
開始12秒弾など存在感を示した大迫だったが、この日の“主役”は高木俊だった。後半43分、清水はスルーパスから交代出場のFW村田和哉が右サイドを抜けだすと、DFを外してゴールライン際からクロスボール。これを高木俊が右足ダイレクトボレーでこの日3得点目、決勝ゴールとなる一撃を突き刺した。
前半35分に戦術的な交代で投入されていた高木俊。今季ここまで19試合1ゴールと苦しいシーズンを送っていたFWの「ここまで本当に不甲斐ない結果ばかりだった。皆さんの後押しのおかげ」という“感謝の”大爆発によって清水が連敗を2で止めた。