日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2013年8月9日金曜日

◆【スルガ銀行チャンピオンシップ 2013 IBARAKI 鹿島 vs サンパウロ】レポート:予想通りの好ゲーム!サンパウロが2点ビハインドを追いつくも、若手が躍動した鹿島が大会初の連覇を達成(J's GOAL)


http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00159689.html

8月7日(水) スルガ銀行チャンピオンシップ 2013 IBARAKI
鹿島 3 - 2 サンパウロ (19:02/カシマ/26,202人)
得点者:25' 大迫 勇也(鹿島)、39' 大迫 勇也(鹿島)、58' ガンソ(サンパウロ)、75' アロイージオ(サンパウロ)、90'+2 大迫 勇也(鹿島)
----------

手に汗握る大熱戦だった。26,202人という大観衆は、両チームが見せた好プレーに酔いしれたことだろう。
「とてもすばらしい試合だったと思います。サッカーの楽しさを見るということでは、5点入ったわけですから、いろんな意味でおもしろさがあったのではないかと思います」
トニーニョ セレーゾ監督がにこやかに振り返る。前半は鹿島が2点のリードを奪うも、後半はサンパウロも負けじと2点を返し、どちらが勝利してもおかしくない展開だった。しかし、最後は今後の鹿島を背負って立つ若き2人の活躍により、アディショナルタイムに3点目をあげた鹿島が突き放す。3年連続で、2-2で90分を終えPKで決着を迎えていた流れに終止符を打ち、日本勢で初めて90分で勝利した鹿島が、大会初の連覇を決めた。

序盤はサンパウロのペースで始まる。3ボランチとトップ下のガンソがかなり近い距離を保ってボールを保持するため、鹿島は「ガンソとかいつでもパスを出せる選手なので、まずは中を絞って外は捨てる」(青木剛)守り方を採用。ゴールを奪われる危険性は減ったが、空いているサイドに展開されるとプレスがかからないためボールを奪うことに苦労する。最初の10分ほどは圧倒的にサンパウロにボールを回される展開となった。

しかし、そこをうまく耐え抜く。そして、守備のバランスを見い出せるようになると鹿島が反撃を開始。特に、柴崎岳が前線に顔を出すことでチャンスを見い出す。1度目はゴールに繋げられなかったが、2度目にディフェンスラインの裏に飛び出すと、センターバックをかわして大迫勇也に浮き球のパスを送る。それを大迫がうまく処理してGKをかわし、無人のゴールに叩き込む先制点を奪う。
2点目も大迫。この日、攻守に冴えたプレーを見せた遠藤康のドリブル突破から左サイドにボールが展開されると、ジュニーニョが相手を牽制しながらゴール前にクロスを送る。すると、遅れてニアサイドに飛び込んできた大迫にピタリと合い、39分に追加点を奪うのだった。

後半に入ると、今度はサンパウロが主導権を握り返す。2トップをサイドに開かせて、積極的に前からプレッシャーをかける布陣に変更した。
「試合時間が流れるにつれてエンジンがかかってくる」
サンパウロを率いるパウロ・アウトゥオリ監督の言葉通り、徐々にペースを上げる相手に対し、鹿島はペースを失う。58分、それまで大きな仕事をしていなかったガンソに正確で鋭い弾道のミドルシュートを決められ1点差に。
直後に大迫がPKを獲得し、ハットトリック達成に期待がふくらんだが、これを失敗。GKが先に動いたとして、やり直しのチャンスを得たにもかかわらず2度とも外し、相手を突き放すチャンスを逸してしまった。
こうなると流れは相手のものとなる。75分、相手の横パスをインターセプトしようと飛び出した前野貴徳が、相手と入れ替わってしまうと、そこからゴール前にクロスを送られる。ボールウォッチャーとなった鹿島の選手が、ゴールラインに流れていくボールを見送ると、ファーサイドにいたガンソが背後から抜け出し折り返す。これをアロイージオはお返しとばかりに無人のゴールへ思い切りシュートを蹴り込み、サンパウロが同点に追いつく。

流れは完全にサンパウロのペース。鹿島は途中出場の中村充孝がドリブルで切れ込み見せ場を作ったが攻撃は単発。中田浩二や岩政大樹を投入し、攻撃力を捨てても不利だった空中戦の劣勢を改善するなど、4大会連続となるPK戦をも辞さない構えを見せていた。

しかし、虎視眈々とチャンスを狙っている選手がいた。
「少し間延びしていたので、リスクを冒しても前に行こうかなと思っていました」
時間はアディショナルタイム。鹿島が速攻の場面を迎えると、スルスルと前線に駆け上がったのは柴崎だった。野沢拓也の落としに思い切り右足を振り切ると、DFに当たったシュートはさらに大迫に当たり、GKセニの逆を突いてボールがコロコロとゴールに吸い込まれ、熱戦に終止符を打つ。それを見たサンパウロの数人の選手たちはピッチに倒れてしまった。

試合が終わると、06年に鹿島を指揮したパウロ・アウトゥオリのもとへ、かつての教え子である野沢、曽ヶ端準、小笠原満男、青木剛、岩政大樹らが次々と挨拶に訪れていた。
「コングラチュレーションと言ってくれました」(青木)
若手中心のメンバー構成だったが、「誰が出てもサンパウロはサンパウロ」(小笠原)と言うように見事な戦いぶりだった。
ただ、鹿島の若手がそれをさらに上回るパフォーマンスを見せたことは、今後の成長に大きな自信を与えたことだろう。「鹿島の若手にとっては非常に重要な結果だった」とセレーゾ監督。
苦しみながらも、大迫・柴崎に牽引された鹿島がサンパウロを3-2で下し、大会初の連覇を達成した。

以上

2013.08.08 Reported by 田中滋

Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事