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5月28日(水) 2014 ヤマザキナビスコカップ
鹿島 0 - 3 神戸 (19:00/カシマ/6,054人)
得点者:9' 杉浦恭平(神戸)、57' 大屋翼(神戸)、75' 橋本英郎(神戸)
☆予選リーグ戦績表
☆Jリーグ公式サイトヤマザキナビスコカップ特集
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●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):
Q:最初の1点目が痛かったと思います。今日のメンバーだと縦に速いサッカーになってしまうため、後半に中盤の選手を代えたと思いますが、もともとはどういう狙いがあった起用だったのでしょうか?
「今日先発したメンバーがこの5カ月間ずっと先発したメンバーであり、連携や連動、お互いの特長や癖、お互いの長所や短所ということもよく理解している。そうすると試合の戦法を考えた時にやりやすい、あるいは意思の疎通が簡単に伝達できるのではないかと言う思いがありました。今日は立ち上がりの20分で圧力をかけて1点を取りにいこうと指示を出しました。残念ながら失点する前に、おそらくこの試合の90分のなかで得点になりそうな場面が、我々に4回から6回くらいあったのではないかと思います。僕は戦法、あるいは今日について求めたものがありました。
非常に残念なのは、失点するまで、何名かは責任の無さが見える姿勢があったことを非常に残念に思いました。このクラブというは数多くのタイトルを獲ってきたクラブです。ヤマザキナビスコカップというのは僕にとってもクラブにとっても非常に重要な大会であり、今日勝てば予選突破できる可能性が、次節で勝つよりももっと可能性の高いところに持っていくことができました。その条件を達成しないといけないと伝えた上で、こういう戦法をとってこう戦っていくんだということを伝えました。その上で、自覚の無さ、責任感の無さが、結果よりも残念な気持ちになります。
例えば、相手が得点をした時、そのあと当然ながら時間を稼いだりゆっくりしたプレーをする中で、誰一人としてもレフリーにアピールしたり、ボールが出たところでボールを拾ってその場所においてリスタートを早くさせるとか。そういうような姿勢で積極性や勝ちたい欲があるのかないのかがわかる。それは言葉ではなく表現です。間違いない、嘘のない姿勢なので、そういった部分は改めないといけない。僕は試合をこなす選手を育てているつもりはないですし、常に勝負にこだわる選手、どんな状況でも最後まで諦めない姿勢を見せる選手を育ててるつもりです。僕はハーフタイムで選手の意識を少しでも変えられればと思いました。彼らに言ったのは、この試合もしかして0-3や0-4で負けてもいい。ただ、最低限戦う姿勢や一生懸命やろうとしている気持ちを見てる人にちゃんと伝えないといけない。お金をもらっている以上、一生懸命やることは基本的な部分であって、それを示さないのはあってはいけない。それはプロ意識の無さであり、許されるべきことではありません。僕を含めて選手、スタッフ全員が、テレビを通じて応援してくれてる皆さんや今日来て下さってる皆さんに対して一生懸命やることは当たり前のことです。熱くなる、熱くならないということの度合いは、勝負にこだわる意識や競争意識を示している。今日は水曜日だ、夜だ、蒸し暑いな、という印象を、僕だけでなく前半を途中から見ていた人は感じてしまったと思います。それは、指導者としてはとても残念なことであってはならない。最低限のことはやらなければならない。
後半になって、少しはそういう一生懸命な姿勢を見せたところはあるかもしれません。どうしてもビハインドという状況だったので、バランスを崩しながらやらなければいけませんでした。バランスを崩しながらでも気の利いたポジショニングだったり、あるいはプレーを切ることができれば、また違うのですが、どうしても若いチームですので、若さ故の経験の無さのところでちょっと物足りないところがありますけれど、指導していけば彼らは良くなっていくという自信を僕は持っているし、彼らもその自信を持っている。吸収したいという気持ちは若手に関しては評価したいと思います。この半年間の中で、チームは残念ながら組織としての成熟は、まだできていないし、個人の部分でもやっていかないといけない。あとは2、3人の選手のパフォーマンスによっては、チームの成績やパフォーマンスに影響してしまっています。週に1回の試合だとなんとかいけるけど、週に2回だとだんだんパフォーマンスが低下してしまう。そうなるとチームがコロッと変わり、同じメンバーでありながら違うチームに変貌してしまいます。まだ、組織として、チームとしての完成度は遠い話しなので、徐々にやっていかないといけません。試合の中でやっていいプレーとやってはいけないプレーが存在するが、まだ若さ故に、これはどうなんだろうと、瞬時の判断ができていない。相手が何をどのように狙っているのか、相手がどのように対策を取ろうとしているのか、ということを試合のなかで対応できていない。分析は試合の前にミーティングで伝えますが、ただ試合中は人間がやっている以上、自分たちが変化を加えるのと同様に、相手もいろんな変化を加えて来ます。それを読んで次の対応をしないといけない。言われてないから対応できません、ということでは未熟さに繋がる。そこをもう少し改善しないといけないと思います。臨機応変に、Aプラン、Bプラン、Cプランまでは伝えますけど、Dプランは自分で臨機応変に感じて対応しないといけない。そういう場面が試合中には存在するので、うまく指導していきたいと思います。まず基本的なベースとサッカーのセオリーがあるので、それを叩き込んでいるところです。それができるようになれば、おそらく勝っている時、負けている時、引き分けている時というベースの中で、次は不利か有利な状況になった時、どのように対応していくのかとうことを、相手の圧力やジャッジの影響があるなかで、精神状態や技術、体力といういろんな変動する自分のなかの要素を考えながら対応する術を身につけないといけません。
半年間、指導する中で若手に対しては何の不満もない。多少のミスというのは存在するし、逆に彼らはそのミスをしないと、言葉や練習で示したとしてもわからない。そのミスを犯したことで指摘され、これなのか、とわかるようになるし、やろうとしている気持ちもある。そこに関しては不満はないです。しかし、もし物足りなさを感じているというところであれば、中堅とそれ以上の選手たちが、もうちょっと彼らはできるはずなのに出し切れていないという気持ちがあります。中堅組とベテラン組がもっとチームに貢献できるのにな、という気持ちがあります。試合に負けた後なので、ああだこうだと言えるかと思いますが、全体的にはそのような状況かと思います。
ただ、忘れてはいけないのはヴィッセルさんのメリットです。彼らが決めるべきところでしっかり決め、やろうとすることがピッチのなかで示されたということは、ヴィッセルさんに関してはおめでとうと言いたいです。我々がやらなければいけない課題は多くあると思います。まだ、ヤマザキナビスコカップは1試合残っていますし、そこに全力を尽くして準備したいと思います。その後は中断しますけど、この半年やったメンバーの中で見直さなければいけないところもあるだろうし、それは一人ひとりが中断明けに示す日々の姿勢と努力を見ながら、あとは成長と向上心という部分を見ながら、またチームを一段と底上げできればと思っています。
あとは交代のところで、豊川選手をカイオ選手に代えていれたところで、最低限守備でがんばる、生き生きした気持ちを示してくれました。それだけでも、微力と言われるかもしれませんが、チームにとっては良い血や空気を循環させるようになりました。また、遠藤選手は前半で一生懸命やってくれましたが、前半の終盤の方で疲れているように見えましたし、おそらく前半でチームで一番チャンスが多かった選手ではなかったかな、と思います。あとは土居選手のところに柴崎選手を入れました。土居選手については、正直、僕の我慢も限界に来ていました。前を向く、シュートを打つということを5カ月間言い続けてきました。それを改善できないようであれば限界です。同じようにサイドハーフがシュートを打たない。ボランチがペナルティエリアの前に来てシュートを打たない。サッカーの基本的なセオリーであり、両サイドハーフは何回ペナルティエリアに侵入するのか、何回シュートを打つのか。ボランチがペナルティエリアの前に顔を出して何回シュートを打つのか。FWが何回シュートを打つのか。それは僕が決めたルールではなく、選手を獲得する上でのセオリーであって、選手を獲得する際には世界にはそういう基準の下で判断しています。そのセカンドストライカーが相手に対して何の怖さも与えない。両サイドハーフもシュートを打たない。ただ、ボールを保持する、パスワークをするだけの選手だったら、相手は何の怖さも抱かない。そういうところで改善する余地はあり、指導する甲斐もあります。それをもっと良くしていきたいと思います。
ここ5、6試合くらい、ずっと取材している方であればわかると思います。チャンスをつくれど決められないということが続いていると思います。10回チャンスをつくってやっと1点取れるかな、という状況になってしまっている。この間、冗談で言いましたが、ただペナルティエリアに突っ立ってるだけで点を取ってくれる選手が欲しいと思います。それくらいの思いがしてきて、寂しい思いがしています。日々クラブハウスに来ている記者であればわかると思いますが、おそらく練習の大半の時間はシュート練習ばかりのものになっている。やっていないわけではないので、寂しさが募るばかりです」
Q:ヤマザキナビスコカップの突破が厳しくなった結果について改めてお願いします
「自力では難しくなりました。他会場の結果によっての状況です。ただ、言えることはホームワーク、つまりホームでの試合に勝っていればなんの問題もない状況であって、去年とは逆の状況だと思います。ナビスコカップの前節をご覧になっているかわかりませんが、どれだけチャンスをつくればいいんだ、という試合だったと思います」
以上