日刊鹿島アントラーズニュース
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2016年3月6日日曜日
◆「今季最後に間に合えばいい」…内田篤人、古巣・鹿島から受けた激励を胸に再起を図る(サッカーキング)
http://www.soccer-king.jp/news/world/ger/20160305/408037.html
昨年6月に右ひざ手術以降、長期離脱中の内田篤人(シャルケ)が5日、古巣・鹿島アントラーズの今季ホーム開幕戦・サガン鳥栖戦をカシマスタジアムで観戦。試合後、報道陣の前に姿を現した。
この日の鹿島は2月にポルトガル2部のポルティモネンセから完全移籍した金崎夢生が31分に奪ったヘディング弾が決勝点となり、1-0で勝利。開幕2連勝という好発進を見せている。
「夢生がいなかったら、結構、きつかったかもしれない。(ポルトガルから)帰ってきて、ホントによかったよね。
鹿島のみんなには『早くやれ』って言われました。(小笠原)満男さんには『休み過ぎだ』って(苦笑)。『そのうちやります』って返しましたけど。みんな(ケガのことを)心配しすぎでしょう。大丈夫ですから」と内田は古巣の仲間たちから手痛い激励を受けたことを明かした。
肝心のひざは一進一退の状況が続いている様子だ。今回の帰国直前の2月中旬も、シャルケでフルメニューをこなした翌々日の全体練習に不参加となるなど、不安定な状態から依然として脱しきれていない。フルメニューを消化した日は、6対2のボール回し、5対5のミニゲームとインターバル走を何本か繰り返す流れで、合計1時間半のトレーニングだったが、本人が「まだ全然でしょ」という言葉を残したように、ベストの体調には程遠い印象だった。
現在は国内で治療とリハビリに専念しているが、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も「ホントに難しいオペをしたわけで、彼が復帰するためには、長い時間と我慢、慌てないことが必要になる。我々が予想しているより難しい。いきなり明日復帰できるわけではないと思う」とネガティブな見通しを口にしていた。
それでも、内田自身は「まあ(ひざの)場所がちょっとあれなんで…。毎日、のんびりやっていますし、(ドイツに戻るのは)そろそろじゃないですか。予定は未定だから、いつ復帰とかそういうのは言えないです。でも今季最後に間に合えばいいというのは、つねに狙っています。
ハリルさんともこっちで会いましたし、この前、ドイツでご飯をご馳走してもらったんで、『ご馳走様』って言いました。ハリルさんはドイツでもサッカーの話ばっかりしていましたけどね」と努めて明るく前向きに振る舞っていた。
彼の言葉通り、ドイツに戻ってからコンスタントに全体練習に加わり、練習試合などで実戦を積むことができれば、今シーズン中の復帰も確かにあるかもしれない。ただ、シャルケのアンドレ・ブライテンライター監督が「今シーズン中の復帰は難しいだろう」とドイツ紙に語っていて、その確率は低そうだ。
実際、シャルケの右サイドバックは目下、内田より1つ年下のブラジル人DFのジュニオール・カイサラがコンスタントにピッチに立っている。彼は運動量豊富で的確なポジショニングが取れるクレバーなタイプで、どちらかというと内田に似たタイプかもしれない。指揮官もカイサラのパフォーマンスにはある程度、満足している様子。しかもシャルケはヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦でシャフタールに敗れたため、今シーズン終盤はブンデスリーガだけを戦えばいいのだ。
こうしたチーム事情を考えると、慌てて内田を復帰させる必要があるとも思えない。ブライテンライター監督もそう考えているはずだ。
こうした中、内田が今、やるべきなのは、慌てずじっくりひざの状態を落ち着かせること。それしかない。この日、メディアに見せた爽やかな笑顔からは、復帰に一歩近づいた手ごたえと自信が少なからず見て取れた。鹿島の快進撃から前向きなエネルギーを得て、彼には回復のスピードを上げてほしいものだ。
文=元川悦子
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