日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年6月25日土曜日

◆【鹿島 vs 福岡】 ウォーミングアップコラム:青木剛ラストマッチ(J's GOAL)


http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00014033/



全体練習が終わると、青木剛はチームの輪から離れてゆっくりピッチを走って汗を流した。試合前日の練習後に、いつもどおりのルーティン。それが終わるとクラブハウスに足を向けた。ただし、ピッチを出る前に振り向き一礼。これが最後の練習だったからか、15年半という長い間、自分を育ててくれたピッチに丁寧に頭を下げているように見えた。

2001年、高校サッカーの名門校前橋育英から加入して以来15年半、鹿島一筋でプレーしてきた。派手さはなかったがJ1リーグ通算375試合出場という記録が物語るとおり、どんなときでもまじめに練習に取り組み、チームのために戦う選手だった。1年を通して活躍したシーズンこそ少ないものの、努力を重ねて必ず自分の居場所を掴んでしまう。その姿勢には小笠原満男も「青木はすごい。あいつこそ、這い上がり方を知っている」と一目置いてきた。

しかし、近年では昌子源、植田直通の台頭によりベンチ外になることも多くなっていた。そこに舞い込んできた鳥栖からのオファー。マッシモ・フィッカデンティ監督のラブコールを受け、もう一度、CBとしてチャレンジする道を選んだ。

硬派な選手が多い鹿島において、青木は誰よりもサポーターを大切にしてきた一人だ。自分のユニフォームを購入しサインを求めに来てくれたファンに感謝の気持ちを示すため、わざわざTシャツを用意してプレゼントしていたシーズンもあった。
「満男さんとかならわかりますが、自分なんかのユニフォームを買ってくれる人は少ない。感謝の気持ちを伝えたいと思って」そこまでしていることを知ったクラブ関係者が「青木は神だよ」と驚愕していた。試合前日もクラブハウスにはたくさんのサポーターが青木にサインを求めていた。

「自分はほんとうに恵まれていたな、と思いますし、幸せ者だなと感じていました。鹿島という環境にも恵まれましたし、出会った人にも恵まれていました。恵まれていて本当にありがたい、そういう15年間だったと思います」そう振り返った青木だったが、感傷的になる瞬間はなかった。優勝目前にある福岡戦への思いは強く、「本当に大事な試合なので、鹿島の一員として全うできればいいなと思います」と、最後の試合に集中していた。

むしろ、目を潤ませていたのは石井正忠監督の方だったかもしれない。
「僕がユースのコーチをしているときからの長い付き合い。寂しい気持ちはありますが、これからのサッカー人生を長く続けるための最良の選択だったと思う」そう言って、別れを惜しみつつ、新たな船出の成功を願っていた。また、練習後、練習を続けていた居残り組に入らなかったことからベンチ入りが予想されることを監督に質すと、「そう書いてくれて結構です」との答えが返ってきた。

間違いなくクラブのレジェンドに数えられる一人との別れ。契約満了が発表されたジネイと共に、ステージ優勝をはなむけにしようとチームはさらに団結を深めている。

文:田中滋(鹿島担当)


明治安田生命J1リーグ 1st 第17節
6月25日(土)19:00KO カシマ
鹿島アントラーズ vs アビスパ福岡

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