日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年1月7日土曜日

◆鹿島、“常勝軍団”の強さ示した1年。金崎・永木の補強が2冠達成の原動力に【2016年Jリーグ通信簿】(フットボールチャンネル)


今シーズンのJ1も全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを送ったのだろうか。今回は、チャンピオンシップと天皇杯の2冠を達成した鹿島アントラーズを振り返る。

ポルトガルから“戻ってきた”金崎。中盤には永木を補強

金崎

 昨シーズンも鹿島でプレーした金崎夢生は、一度はポルトガルのポルティモネンセに復帰したものの、J1開幕直前に完全移籍で“戻ってきた”。前線の核となれる選手だけにチームにとっては心強かった。また湘南ベルマーレから永木亮太を補強し中盤を強化。柴崎岳、昌子源らプラチナ世代も成長し、若手も続いている。

 何より小笠原満男らベテランも健在。前人未到の3連覇を成し遂げた2009年以来のリーグ制覇を目指し、勝負のシーズンに突入した。

2ndステージは下降線も…常勝軍団の強さを発揮

鹿島

 1stステージはリーグ最少の10失点と堅守を誇り、優勝を果たした。しかし、2ndステージは一転して苦しい戦いを強いられ、まさかの11位。巧みなドリブルと決定力で攻撃をリードしていたカイオが中東へ移籍したことで攻撃力が減退し、彼の穴を埋める選手も表れず、迫力不足に悩まされた。金崎もシーズンが進むに連れてゴールから遠ざかり、夏には途中交代に怒って石井正忠監督との握手を拒否するなどの問題行動を起こした。チームの成績も下降線を辿り、散々なステージとなった。

 ところが、1stステージ王者として臨んだチャンピオンシップで鹿島は鹿島たる所以を見せつける。準決勝で川崎フロンターレを1-0で破り、一発勝負での強さを示す。浦和レッズとの決勝第1戦はホームで黒星を喫し、第2戦も先制を許したが、最後まで諦めない鹿島は金崎の2得点で逆転に成功すると、アウェイゴールの差でリーグタイトルを手中に収めたのだった。7年ぶり8度目の年間王者奪還だった。

 勝負強さを発揮したとはいえ、リーグ戦では年間勝ち点3位。首位の浦和との勝ち点差は『15』と大きく離された。今回の優勝に満足している者は恐らく一人もいないだろう。

 それでもチャンピオンシップ、クラブW杯で勢いを得た常勝軍団は天皇杯でも強さを発揮。決勝で川崎フロンターレを破り、6大会ぶり5回目の優勝を達成した。これで鹿島は今シーズン2冠、タイトル数を『19』に伸ばしたのだった。

クラブW杯で柴崎らの評価は急上昇。SB、GK陣の補強を

柴崎

 一人で複数の相手を引けつけるだけでなく、包囲網を楽々と突破できるカイオの傑出した能力を失ったのはやはり痛かった。代わりに入ったファブリシオも高い能力を持っているが、背番号7の存在の大きさを痛感させられることになった。鹿島は個人に依存するチームではないとはいえ、ずば抜けた『個』を持つ選手は確保したいところ。

 ヴィッセル神戸から加入するペドロ・ジュニオールがこの問題を解決してくれそうだが、一人ひとりのレベルアップも欠かせない。アルビレックス新潟からレオ・シルバの獲得にも成功した。

 クラブW杯で躍動し、レアル・マドリーから2得点を奪った柴崎岳は移籍の噂が絶えず、昌子源や土居聖真も評価を高めたはず。大黒柱となるべき面々がチームを去った時のためにも、若手にも奮起が求められる。

 戦力的には左SBの数が少なく、現状は山本脩斗のみという状況だ。三竿雄斗が期待通りフィットできれば、山本の負担軽減に繋がる。また世界を相手にビッグセーブを連発した曽ヶ端準の座を脅かすGKも欲しい。今シーズン、期限移籍で加入したリオ五輪世代の櫛引政敏はベテラン守護神の牙城を崩すことができなかった。適材適所の補強でリーグ連覇を目指したいところだ。

診断

鹿島

補強診断 A

 2ndステージは不発に終わった金崎だが、それでも優勝は彼抜きでは考えられなかった。気持ちを前面に押し出したプレーでチームを奮い立たせた。永木も最終的にはチームに欠かせない戦力となり、中盤で存在感を見せた。二人がいなければ、今シーズンの成績はなかったのではないか。

総合力診断 A

 勝ち点では上位2チームに大きく引き離されていたが、チャンピオンシップの制度を利用して年間王者に輝いた。天皇杯決勝でも証明されたように鹿島は一発勝負ももちろん強いが、年間を通してトップに立つのが本来の姿。その意味で今シーズンは何かが足りなかったと言える。勝者のメンタリティを取り戻す戦いは、来シーズンも続く。

【了】

https://www.footballchannel.jp/2017/01/06/post192827/

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