日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年8月17日木曜日

◆J史上二度目の“人違い退場”…本人が認めても審判団は認めず(GOAL)




J史上二度目の“人違い退場”。当事者のFC町田ゼルビアMF平戸太貴らに話を聞いた。

まさかの“人違いレッドカード”だ。

名古屋グランパスがFC町田ゼルビア相手に劇的勝利を飾ったエキサイティングなゲームで、Jリーグ史上二度目の珍事が起こってしまった。

16日に町田市陸上競技場で行われた明治安田生命J2リーグ第28節の87分、相手ゴール前に抜け出そうとした名古屋MF青木亮太が町田DF深津康太と奥山政幸に挟まれる形で倒されると、家本政明主審がレッドカードを提示。DAZNの中継では深津が倒したように見えたが、約5分間にわたる押し問答の末に退場を命じられたのは、プレーと全く関係ないところにいた平戸太貴。鹿島アントラーズからの期限付き移籍で開始5分に鮮やかな先制点を決めていた新鋭だったが、思わぬ形でピッチを後にすることになってしまい、不満を露骨に表しながらロッカールームへと戻っていった。

町田の相馬直樹監督も決定機阻止、そして“人違いレッドカード”を提示した家本主審の判定に疑問を投げ掛ける。

「映像を見てもらえれば分かると思います。お越しいただいた皆さんにエキサイティングなゲームをお見せすることはできたんじゃないかと思いますが、その中で非常に後味の悪い形になってしまった。今日のピッチコンディションであれば、決して決定機ではなかったと思いますが、これはレフェリーが判断すること。これ以上言っても変わりませんが、あの一つでだいぶ印象が変わってしまったのは残念です」
人違いで退場を命じられてしまった平戸は問題のシーンに関して、「自分がやったと言われたので、自分ではないことだけを主張し続けていたんですけど、それが覆らなかったので。どのくらい距離が離れていたかは覚えてないですけど、自分は全く関係していなかった」と振り返る。

だが、平戸は家本主審から「18番」と呼ばれてレッドカードを提示されてしまう。家本主審は平戸の否定を受けて副審に確認し、深津も自分がプレーに関与していたことをその場で説明したが、それでも判定は覆らず。一連のやり取りを見て「これは変わらない」と思った平戸は、諦めてピッチを離れることにした。

Jリーグデータセンターによると、一発退場による選手の取り違えはJリーグ史上二度目。2006シーズンJ2第6節、ヴァンフォーレ甲府対セレッソ大阪の56分に西村雄一主審からレッドカードを提示された池端陽介が退場となったが、後日行われたJリーグ規律委員会にて“人違い”であったと判断され、本来退場処分を受けるべきだった桜井繁に退場処分が付け替えられた。

試合中に一発退場を受けた選手は、Jリーグのルールにより、試合後にマッチコミッショナーからのヒアリングが実施される。この日、平戸もルールどおりに鈴木茂マッチコミッショナーの下を訪れ、退場処分を受けたプレーが自分ではなかったことを改めて主張した。

今シーズンからレフェリーの判定に対してクラブかJリーグへ意見書を出す方式が変更され、その場でマッチコミッショナーに直接異議を申し立てる形となっている。町田側もルールどおりにマッチコミッショナーへ異議を申し立て、平戸もヒアリング時に当時の状況を説明した。正式にはJリーグからのリリースを待たなければならないが、今回も退場処分の付け替えが濃厚と見られている。

なお、試合はガブリエル・シャビエルが全4ゴールに絡む活躍を見せ、名古屋が4ー3で勝利を収めている。

J史上二度目の“人違い退場”…本人が認めても審判団は認めず

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