[8.16 J2第28節 町田3-4名古屋 町田]
名古屋グランパスが前半だけで3得点を奪い、FC町田ゼルビアが後半に追いつく。町田の相馬直樹監督が「エキサイティングな試合」と評したように、緊張感のある好ゲームだった。しかし後半44分の場面がこの試合のハイライトになってしまった。
押されていた名古屋だが、相手の一瞬の隙をついてMF青木亮太がDFの裏を取る。これに慌てた町田のDF深津康太が青木の突破をスライディングで止めてしまう。決定機阻止…のように見えた。
家本政明主審は副審に確認してから、当然のようにレッドカードを出した。しかしその対象者は、やや距離のある位置にいたMF平戸太貴へのものだった。「僕はやっていない」。平戸の主張は通らない。深津も「あいつじゃない」と説明したが、判定が覆ることはなかった。
「自分は全く関係していないです。うしろから見ていただけなので。(家本主審は)探していて、『18番』ってなって。自分的には違うでしょと言ったんですけど、覆ることはなかった。言っていても変わらないなと思った」
ピッチを出る際は両手を広げて、ピッチを蹴り上げるしぐさで不満を示した。「もう少し冷静に、感情をコントロールできるようにならないといけない」と反省した平戸だが、「正直、自分じゃなくて頭が真っ白になっていた」とコントロールできる状況になかったことへの理解も求めた。
クラブは試合終了直後にマッチコミッショナーに口頭で意見。今季より意見書を提出して再判定を求めるというルールがなくなったためで、今後は規律委員会の判定を待つことになるという。
相馬監督は試合後のテレビインタビューでは「選手たちにかわいそう。ジャッジのことはテレビで見られている方が一番わかると思う」と不満を語っていたが、監督会見の場では務めて冷静にしていたが、「結果的に後味が悪くなってしまった。残念だと思う。あの一つでだいぶ印象が変わってしまったのは残念」と最後に苦言を呈していた。
(取材・文 児玉幸洋)
「僕はやっていない」退場者誤認は明らか…家本主審の“大誤審”町田は口頭意見