名古屋時代から体幹トレ実践…木場氏「ハードなメニューでもすぐにスイッチが入る」
サッカーのJ1リーグ、鹿島アントラーズの日本代表FW金崎夢生は、「世界で最もキツい」自主トレを打ち上げた。
「今回は世界で最もキツいメニューをこなしてもらいました。彼は長年体幹トレーニングを続けていて下地はできているので、2日間で仕上げました。ハードなメニューでもすぐにスイッチが入りましたね」
こう語ったのはプロトレーナーの木場克己氏だった。
体幹・体軸・バランスを強化する「Koba式体幹・バランストレーニング」の開発者で、競泳のリオデジャネイロ五輪代表・池江璃花子(ルネサンス亀戸)、サッカーの日本代表DF長友佑都(インテル)らトップアスリートの専属トレーナーを務め、JP日本郵政女子陸上部のアドバイザーとして指導。16年に創部3年目にしてクイーンズ駅伝優勝に導いたスペシャリストだ。
金崎は名古屋グランパス所属時代(2010~12年)、度重なる太もも裏の肉離れでキャリアの危機に陥り、木場氏に師事した。日々、体幹トレーニングを欠かさないことで圧倒的な競り合いの強さを身につけ、Jリーグ最強の“デュエリスト”に成長。昨年12月のE-1選手権に出場した間のオフを、すでに始動している鹿島から与えられていた。
通称「長友ロード」の坂道をとにかく走り切り、下半身のパワーを強化
新シーズンからエースナンバーの「10番」を背負うことになった金崎は、オフの間はリフレッシュよりもトレーニングを選んだ。毎年恒例となっている八丈島合宿を行い、木場氏と二泊三日、マンツーマンで汗を流した。
「今までで一番キツいメニューになる」と木場氏から伝えられた金崎は、「頑張ります」と決意。屋内での体幹トレーニングに加え、全長250メートル、最大斜度15度という坂道を舞台に戦える身体を作り上げた。
この坂道は、長友が2010年の南アフリカ・ワールドカップ前に自主トレで走りこんだ経緯から、「長友ロード」と命名されている。体幹トレーニングの先輩が鍛錬を積んだ場所で、金崎は全身全霊を注いだ。木場氏は今回の合宿を次のように振り返る。
「心肺機能というよりはパワー系です。ふくらはぎ、臀部、太もも裏に刺激を入れる。坂道をとにかく走り切る。坂道でマットやチューブを使ったトレーニングも敢行しました」
ただ走るだけではない。特製のファンクショナルマット、ゴムチューブを引っ張りながらのダッシュ……、まさに地獄のマンツーマン特訓となった。鹿島では2年ぶりのリーグ制覇、そして初のAFCチャンピオンズリーグ優勝、日本代表ではロシア・ワールドカップという大舞台に立つことを狙う金崎。2018年シーズンは、あまりにストイックな流儀で幕を開けた。
(THE ANSWER編集部)
鹿島新10番・金崎夢生が地獄の合宿 「世界で最もキツいメニュー」に“恩師”太鼓判