J2モンテディオ山形のDF石川竜也(38)が11日、現役引退会見を天童市内で行い、同クラブのトップチームのコーチに就任することを発表した。昨年11月19日の最終節を前に、山形からの契約満了と同時にコーチ就任の話も受けていた。他クラブからのオファーもあったが、最終的に11年間在籍した山形のコーチ就任の道を選んだ。「40歳まで現役をやりたかった。いろんな話を聞いたりしたけど、最終的にコーチというのが僕にとってやりがいがあると思った」と理由を明かした。
静岡出身で、16年間の現役で3クラブを渡り歩いた。07年には期限付き移籍で山形に加入(08年に完全移籍)して以降は11年もの間、左サイドを主戦場に戦った。思い出に残る試合はと問われ「最初にJ1に上がった愛媛戦(08年11月30日)」と答え、「2度目のJ1昇格も記憶に残っている」と続けた。14年のJ1昇格プレーオフの準決勝(磐田戦、11月30日)、後半ロスタイムにGK山岸(現北九州)の奇跡のヘディング弾を演出したのが、CKを蹴った石川の左足だった。
石川の引退により、クラブ史上2度のJ1昇格を経験したのは、DF山田拓巳(28)ただ1人になった。石川は山田に対し「僕と一番長く一緒にプレーしてきた。言うことは何もない。感じてやってもらえば」とエールを送った。自身のコーチ像としては「いろんな人から学んで、自分のスタイルをつくっていきたい」と前を向いた。山形を支えてきた男が、涙もなく笑顔でピッチを去った。
山形石川引退→コーチ就任「やりがいあると思った」