
日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年11月13日火曜日
◆小笠原金言が鹿島の礎、初トロフィーまずベテランに(ニッカン)

<アジアチャンピオンズリーグ:ペルセポリス0-0鹿島>◇決勝第2戦◇11日◇アザディ競技場
日本でもっともタイトルを獲得し、掲げてきた男。そう言っても過言ではない鹿島アントラーズのMF小笠原満男(39)が、今まで手にしたことのないトロフィーを手に取った。最初は懸命に断ったが、チームメートにつかまえられて、逃げ切ることはできずに中央へ。観念すると、表情は最高の笑顔に変わった。駆けつけた約250人の鹿島サポーター席に向かって右手を上げる。そしてためにため、力強く持ち上げた瞬間、歓喜の花火が上がった。最高の瞬間だった。
鹿島で育って21年目。過去16度のタイトルの場に居合わせた男も唯一、ACLのタイトルだけは無縁だった。昨年のACLで優勝した浦和を見て、こう漏らしていた。「悔しさだけが残っている」。祝福の言葉よりも先に口をついて出た「悔しい」という言葉。今季、必勝祈願の際に記した絵馬には、「優勝」や「タイトル」の文字が躍る中で、1人「全勝」と書いた。
だが、チームは前半戦、思うように成績が伸びない。小笠原もベンチ外を多く経験した。苦しい時期だった。
実は「膝」に慢性的な痛みを抱えていた。裏では激痛が走り、チームの塙PTと深刻そうに話す機会が増えた。
それでも、練習は1度として休まなかった。後半戦に入って盛り返し、公式戦7連勝を記録したときも、こう漏らしていた。「練習を休むわけにはいかない。チームが勝っているとき、調子いいときも、オレが休むと良くない。オレはいつも若いやつらに見せないといけない」。MF土居聖真は言う。「満男さんがやっているのに、オレらがやらないわけにはいかない」。DF内田篤人も同じ。「満男さんがサボっていないのに、若いやつやオレが、サボれないよね。練習にいてくれるというか、ミーティングでひと言『頑張れよ』って言ってくれるだけでも、全然違うから。それだけの価値がある人だからね」。
口数が多いタイプではない。ただ、たまに送るアドバイスが若手に感銘を与える。土居は「ベンチで一緒に見ていると『今、間延びしている。ディフェンスとボランチの間でどんどん受けて行けばチャンスだぞ』と言ってくれる。失点が続いて勝ちきれなかったときには、ワンちゃん(犬飼)に1対1で、こうしたらいいんじゃないか、と話していた。チームのためを思い、すごく見ている。日本人で一番、優勝を経験した人。言葉の説得力がすごくある」。
昌子もその存在の大きさを口にした。「ソガ(曽ケ端)さんも同じで、痛いから休むなんて、鹿島では論外。満男さんは半端ないと思う」。代表でたまに「満男さんやソガさんはまだやっているの?」と聞かれることがあるという。心から反論したかった。「本気を出せばあなたと同じレベルに行ける」と。だから、表彰式の壇上でトロフィーを受け取ると、真っ先に「ミツ」と呼んだ。MF遠藤康と協力して、トロフィーを持たせた。試合前から「チーム全員で満男さんに掲げさせる。満男さんとソガさん以外、適任者はいない。絶対に満男さんに上げさせたい」と話していたことを実現させた。
今年3月10日の広島戦で、MF三竿健が失点につながるミスを犯したことがあった。翌日のクラブハウスで、昌子が口火を切った。「オレと(植田)ナオが今まで何回、失点に絡んだか。ナオはアウェーのオーストラリアでゴール前で空振りして入れられたぞ。オレなんて途中出場の途中交代もあるぞ」。すると、小笠原が乗っかった。「オレなんか代表で開始15分で替えられたぞ」。
自らの苦い経験を話すことでポジション的にはライバルの当時21歳の心をやわらげ、三竿健に「満男さんも代表の話をしてくれて、みんなすごく優しかった。悔しさとして残して成長している。自分もそうしていきたい」と思わせた。そこに「自分が」という心情はない。チームのため。「普通のこと。みんなで高め合って競争し合っていけばいい」。ジーコが築いた鹿島の哲学を、誰よりもピッチ上で体現してきた。小笠原がいたから、鹿島はACLのタイトルを手にした。
試合後、口を開いたのはたったひと言だけ。「オレはいいよ。頑張ったやつらに話、聞いてください」。
そう言うと、最初にバスの中に戻り、静かに喜びに浸った。【今村健人】
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