天皇杯全日本選手権準々決勝(21日、鹿島1-0甲府、中銀ス)準々決勝の残り1試合が行われ、J1の鹿島がJ2甲府を1-0で下し、2大会ぶりの4強入りを決めた。0-0の後半31分にFW土居聖真(26)が決勝点を奪った。12月12~22日のクラブW杯に出場する鹿島がベスト4入りしたため、浦和-鹿島、仙台-山形の準決勝は12月5日、決勝は同9日に前倒しして開催される。
晩秋の冷え込みが厳しい甲府の夜。0-0で迎えた後半31分。FW土居が右足で巻くようなシュートで、ゴール右上に突き刺すと、スタジアムの熱が一気に高まった。
「ボールを置く位置と蹴るタイミング、そしてコース。すべてが理想的だった。一瞬の隙を突くのはうちの伝統」
相手に負傷者が出て、数的優位になったわずかな時間帯。ドリブル突破したMF永木からのパスを冷静に決めた。優勝すれば、来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得できる天皇杯。10日にACLを初制覇した鹿島にとって、来季の連覇を狙うためにも譲れなかった。
もっとも、「アジア王者」の看板を背負って臨んだ最初の試合で選手たちの動きは硬かった。甲府のパスサッカーに対して後手に回り、どちらが格上か分からないような展開が続いた。「メンタル的にも難しい試合だった」と大岩監督。最後は土居の得点で何とか面目を保ち、安堵の表情を浮かべた。
鹿島のベスト4入りで天皇杯準決勝以降が前倒しになり、この日からクラブW杯初戦のグアダラハラ(北中米カリブ海王者、メキシコ)戦まで25日間で最大6試合を戦うことになった。クラブW杯が行われるアラブ首長国連邦までの長距離移動もあり、過酷な日程となるが、土居は自らを奮い立たせた。
「ここまできたら優勝したい」
次はライバル関係にある浦和との準決勝。常勝軍団のイケメンFWは、その視線を主要タイトル21冠目に向けた。(一色伸裕)
◆鹿島4強!“次なる敵”は過酷な日程…クラブW杯初戦まで25日間で最大6試合/天皇杯(サンスポ)