
日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年12月30日日曜日
◆【英国人の視点】鹿島・安部裕葵に感じる“本物”の予感。大舞台に立つだけでは満足しない、その資質(フットボールチャンネル)

鹿島アントラーズは、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)王者としてクラブワールドカップに挑んだが、3位決定戦でリーベル・プレートに敗れた。しかし、この大会で19歳の安部裕葵が大器の片鱗をのぞかせた。(文:ショーン・キャロル)
宇佐美や武藤に通じる存在感
Jリーグからは時折、本物ではないかと思えるような選手が現れてくる。
もちろん、好調な時期を過ごしてポテンシャルを垣間見せ、所属クラブのファンの期待を高めたかと思えば、その最初の輝きに上積みを加えるのに苦戦し始め、次のレベルへと進むために必要なものを手に入れられないような選手も毎年のようにいる。
だが時々は、最初から全てを備えた若手が出てくることがある。もちろん洗練と改善は必要だとしても、材料は揃っている。安部裕葵はそういう選手たちの一人だ。
10年前に私が日本にやってきた頃には、ガンバ大阪で17歳の宇佐美貴史が旋風を巻き起こしていた。2014年には大卒1年目の武藤嘉紀がFC東京で圧倒的な存在感を見せ、欧州のビッグクラブからの関心を引きつけていた。今季は鹿島アントラーズで安部が彼らと同じような力を見せた。
19歳の安部は宇佐美や武藤ほど得点力の面で脅威になるわけではないが、ピッチ上での振る舞いを見れば、アジア最高のチームですでに全く問題なくプレーすることができている。試合を決められる選手になれる力は十分にある。
U-19日本代表が来年のU-20ワールドカップの出場権を獲得する戦いを助けてインドネシアから帰国したあと、すぐにACL決勝1stレグのペルセポリス戦に先発起用されたことは、彼が鹿島ですでに高い評価を得ていることを示した。安部は指揮官からの期待を裏切ることなく、チームが2-0の大きな勝利を挙げる上で重要な役割を演じた。
大舞台にも怖気づく様子は全く見せず、あらゆる形で相手に問題を引き起こしていた。チャンスがあればボールを前へ運び、何かを起こそうと試みていた。
10万人以上のアウェイで「楽しみ」
宇佐美や武藤がブレイクしようとしていた頃と同じく、安部がボールを持つとスタジアム内に期待の高まりが感じられた。積極的にプレーする意欲を見せた彼は69分間のプレーで5回のファウルを受けつつ、相手陣内でのパス成功率も88.2%(チーム全体では87%)と高い数字を記録した。
「簡単な試合じゃないのはみんな分かっていましたし、押し込まれていようがどんな試合になろうが僕たちは集中して我慢して試合を運ぶという自信があるので。そういうところが見られたかなと思います」と安部は試合後にthe-AFC.comに語った。
「点が入ってからはメンタルのゲームになったけど、自分たちは乱れずにプレーできました。その点で相手を上回れたことも勝利の要因になったと思います」
ピッチ外でもピッチ内と同様に大人びて落ち着いた様子の安部は、2ndレグに向けて全く緊張するどころか、テヘランの10万人以上の観客の前でプレーできるチャンスを楽しみにしているとも付け加えた。
「僕たちスポーツ選手は、人が入るということで自分の力が出せないようではダメだと思うので。スポーツ選手である限り、そういう環境であるほど自分の力が出せるくらいじゃないとダメだと思っているので、楽しみです」
アザディでの仕事をやり遂げ、安部と鹿島は今月行われたクラブワールドカップにアジア代表として出場する権利を手に入れた。その舞台でも彼はすぐに強烈な印象を残した。
今年のJリーグベストヤングプレーヤー賞も受賞した安部が特に脚光を浴びたのはグアダラハラとの準々決勝で決めたファインゴールだったが、彼のゲーム感覚が本物であることをそれ以上に印象づけたのはその1分前に見せたプレーだった。
北中米、欧州、南米の強豪相手に堂々
スコアが2-1で試合の行方がまだ確定していなかった83分、鹿島の攻撃がストップされ、グアダラハラのMFオルベリン・ピネダがボールを持って大きく前進。危険なカウンターアタックを繰り出そうとしていた。
この状況で多くの若手選手は、正直にボールを奪い返そうと試みることだろう。だが危険に敏い安部は分が悪いことを理解し、チームのために犠牲になることを厭わず、明らかなファウルを犯してイエローカードを受けた。
これで鹿島は自分たちの命運を握り続けることができ、60秒後には安部自らがGKラウール・グディーニョの必死のダイブも届かない完璧なシュートを叩き込んで勝利を決定づけた。
グアダラハラ戦では交代出場だった安部だが、この試合で鹿島に勝利を引き寄せる重要な役割を果たしたことで、準決勝のレアル・マドリー戦では先発に復帰。チーム全体としてはガレス・ベイルとその仲間たちに対抗しきれず、ハーフタイムの前後に守備が緩んだ代償として3点のリードを奪われたが、安部は機会があるたびにダニ・カルバハルに対してチェイスし、最後の笛が鳴るまで前線からボールを追い続けた。
次のリーベル・プレート戦でも鹿島は敗者の側に回ることになったが、4-0というスコアはリーベルにとって出来過ぎたものだった。鹿島がクロスバーを叩く場面も3回あったし、3点目と4点目は89分と93分に記録されたものだ。安部はこの試合でもボールを持てば常に脅威となり、大舞台に立つだけでなくそこでインパクトを残すことが彼の狙いであることを改めて印象づけた。
今季のような成長を続けていくことができれば、そういう日が来るのはそう遠いことではないはずだ。
(文:ショーン・キャロル)
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