鹿島が初めてのヨーロッパ人監督を招聘。チームはどう変わる?
国内サッカーのシーズンも終わり、移籍市場の動きもぼちぼち出てきたけど、さほどインパクトがないストーブリーグになっているね。
外国人の入国制限が影響しているせいか、大物外国人を獲得するような動きはまだ出てこないし、むしろ旗手や前田、井手口がセルティック移籍へ向かっているという“出ていく”噂のほうに関心が向いているようだ。国内の動きを見ても、ヴィッセルがマリノスからボランチの扇原を獲得し、アビスパがジュビロからエースのルキアンを獲得したという以外は、それほど話題性のある移籍話は聞かないね。
宇佐美もフロンターレに移籍するという噂はあったけど、結局ガンバ残留で落ち着いたというし、今のところメディアの一番大きな関心事が、カズの移籍先になっている。ちょっと燃料不足のストーブリーグになっている感は否めないよ。
そんな中で今回の移籍市場は、選手よりも監督交代の動きのほうがより目立っている気がする。すでにグランパス、FC東京、アントラーズ、サンフレッチェ、サガン、ガンバが新監督を発表しているよね。なかでも、注目しているのがアントラーズだよ。これまでのブラジル路線から方向転換して、スイス人の監督に白羽の矢を立てた。コーチにもアルディージャで活躍した元セルビア代表のムルジャを抜擢し、フィジコもドイツ人コーチに替わったよね。
経営体制がメルカリに替わって以来、タイトル獲得などの大きな成果は残せていなかっただけに、ここに来てこの路線変更がアントラーズをどう変化させていくのか、大いに興味があるよ。これまで約30年間、ジーコ来日から一貫してブレなかったブラジル路線の理念が新体制でどうなるのか注目だね。
同様に、東京ガスからIT大手のミクシィに経営体制が変更されたFC東京も今後どうなるのか見物だよ。まだ監督が替わっただけで、大物外国人や国内の代表クラスが加入するという話は聞こえてこないけど、少しおとなしい国内のストーブリーグに起爆剤となるようなビッグディールを期待したいね。
外国人の入国制限が長引けば、代表戦にも影響が…
前述したように外国人の入国制限が、各クラブの新助っ人獲得に影を落としている側面は否定できないよ。2021年の序盤戦も同様の措置が取られて、新しく獲得した選手がしばらく入国できず、さらに隔離期間を経てようやく合流できたという事態になってしまったからね。
21年の二の舞を踏みたくないとクラブが考えてもおかしくはないけど、ただこの状況が長引くと日本代表の活動やワールドカップ予選のスケジュールにまで影響を及ぼす可能性も出てくる。キリンチャレンジカップのウズベキスタン戦は、強化としてはさほど意味があるようには感じないけど、協会にとっては重要な収入源となるだろうから中止となれば大きな痛手だろう。
それにこの試合が中止となれば、ワールドカップ予選だってどうなるか分からない。1・2月は大事なホーム2連戦だけど、新しい変異株の感染状況次第では延期という可能性だってあるだろう。まだまだコロナに振り回されている社会状況。先の見通しが立たない現状だけど、まずはなんとか感染拡大をさせない対策を講じ、サッカー界への影響を最小限に食い止めたいところだね。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部