鈴木優磨は「旬」を感じさせるストライカー
国内組で臨むE-1選手権。森保ジャパンに名を連ねる23人の顔ぶれは? 報知新聞社の内田知宏記者に、独断と偏見で選んでもらった。異論は、認める。
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今大会からカタール・ワールドカップのメンバーに入ることは狭き門と言わざるを得ない。選手登録枠が26に拡大されたとはいえ、日本代表の骨格は見えており、森保一監督も6月に招集したメンバーを中心に選考していくことを明かしている。
ただ、選出のチャンスがまったくないかと言われればそんなことはない。本大会の対戦相手を見ても、チームに目を向けても、最後まで上積みを目ざすべきだと感じる。
まずはポジション別に考えたい。いつの大会でも最後までチャンスがあるのはFW。他のポジションに比べて「旬」という要素が入ってくる。今季ベルギーリーグから鹿島に復帰した鈴木優磨はそれを感じさせるストライカーだ。ここまでJリーグ5位タイの7得点、首位の7アシストと申し分ない。
戦術理解が高く、前線ならどこでもできる器用さがある。特にクロスを合わせるプレーは絶品で、森保ジャパンの武器となっている伊東純也(ヘンク)、三笘薫(ブライトン)の突破をゴールにつなげられる存在として注目したい。
本大会では6月のブラジル戦で見たような我慢の戦いになる。0-0の時間を長く過ごし、後半勝負。突破した三笘のクロスに合わせるのは、逆サイドから入り、頭でも足でも勝負できる鈴木というイメージが湧く。
そして、3ボランチの構成を固めるには時期尚早と見ている。特にバックアップの3枚は、まだまだ他の選択肢を探りたい。
鹿島の樋口雄太は強度、運動量ともにまだ底を見せていない印象。強度が上がる国際Aマッチでも問題ないだろう。セットプレーを中心に記録した5アシストはリーグ3位の多さ。ストーンを超えて落ちる正確なキックは、セットプレーからの得点が少ない森保ジャパンの課題解消にも一役買うのではないか。
最後にまだまだ伸びそうな若手として、鈴木唯人(清水)を推したい。海外クラブからも注目を集める存在で、ゴール前で違いを作れる。今大会で選出された際には、4年後を見据えた「若手枠」ではなく、戦力になりうるかという視線を向けたい。人材が揃うサイド戦線においても、メンバー発表直前まで目をそらしてはいけない存在だと感じる。
この大会は準備期間が短く、選手のモチベーション管理が難しいが、多くの新しい発見を期待したい。
取材・文●内田知宏(報知新聞社)
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