先発を7人を入れ替えての勝利
鹿島アントラーズは7月13日、天皇杯4回戦でガンバ大阪と対戦。2-0で勝利を収め、準々決勝へ駒を進めた。
直近のリーグ戦は、敵地で北海道コンサドーレ札幌と0-0で引き分けた鹿島は、その試合から先発7人を入れ替えた。
GKは沖悠哉、DFは右から常本佳吾、関川郁万、三竿健斗、安西幸輝、MFは右から樋口雄太、舩橋佑、中村亮太朗、ファン・アラーノ、FWはエヴェラウドと鈴木優磨の2トップとなった。
前半をスコアレスで折り返すと、67分にディエゴ・ピトゥカとアルトゥール・カイキを投入し、直後の71分にピトゥカ、75分にエヴェラウドが得点。相手の反撃も許さず、鹿島が2点のリードを守り切った。
試合後に取材に応じた鈴木は、「今日は凄く満足しています」とコメント。決めるべき人が決め、チーム内競争が高まり、メンバーが代わる中でも勝利できた、という3点に満足気だった。
前半攻めながら得点を奪えなかったことについては、「どっちかと言えば嫌」だったとしながらも、「焦れずに戦えるかの勝負。前半を終えたときに、どちらが先制点を獲るかの勝負だと思っていた。先制点をとったほうが勝つと分かっていた。守備をキツくし、失点しないようにと話していた。途中から出たピトゥカが非常に良い形で先制点を獲ってくれた。1点取った段階で相手の勢いを止めることができた」と振り返った。
さらに、「エヴェをなるべく真ん中に専念させてあげたかったので、僕が(周囲を)動いてプレーした。彼が得点できたのは嬉しい」と、ピトゥカとエヴェラウドにゴールが生まれたことを「決めて欲しい選手が決めてくれた」と喜んだ。
また、この日フル出場の中村について、「今日は亮太朗が素晴らしかった。これでもっとチーム内競争が激しくなれば。出ている選手よりも、出ていない選手が押し上げることで、出てる選手がもっとやらないといけないという気持ちになる」と賞賛。この試合で一番チームが活気づいたシーンに触れた。
選手たちは2点目が決まった直後、ヘディングでネットを揺らしたエヴェラウドではなく、左サイドを突破し、左足でピンポイントクロスを送った安西の元へ。ゴールを決めたエヴェラウド自身もゴールセレブレーションをせずに一目散に安西の下へ駆け寄っていた。
その点について、「みんな行っていたでしょ?そういうことだと思います。普段明るくふるまっているけど、無理しているのは気づいていたので、本人もこれで良い方向にノッてくれれば良いと思います」とコメント。20節のセレッソ大阪戦(3-3)では、投入直後に失点に絡んで相手に逆転を許してしまったり、広瀬陸斗の左SBでの台頭もあり、自身のポジションも不動ではなくなっている安西へエールを送った。
「メンバーが代わったなかで、勝てるか勝てないかはチームが大きく後退するか、上がっていくかの分かれ目だと思っていたので、今日勝てたというのは、チームにとってもの凄いプラス材料だと思います」
そう手応えを語った鈴木。得点源だった上田綺世が海外移籍で抜けてもまた新たなサイクルが動き出していると強調し、こう締めくくった。
「エース級が抜けるというのはアントラーズでは当たり前。そこに対して順応して勝ってきたのがアントラーズ。今後どうなるかわからないですけど、誰が出ても勝っていけるようなチームをみんなで目ざしている。僕は先頭に立って助けていければ良い」
天皇杯での快勝をリーグ戦にもつなげられるか。鹿島は中2日で、22節のヴィッセル神戸戦に臨む。
取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)
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