日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年6月15日木曜日

◆ノーギャラで盛岡日帰り講演を行った川淵三郎氏と秋田豊氏の絆(報知)



秋田豊,川淵三郎


 Jリーグ初代チェアマン・川淵三郎氏(86)の男気に触れた。今月3日、スタジアム改築を目指しているJ3岩手の秋田豊社長(52)が、同氏を招いて盛岡市内でシンポジウムを開催。地方都市では異例となるビッグゲストは「秋田に『スタジアムを作りたいから(応援に)来て下さい』と頼まれたので」と、集まった関係者やサポーターを喜ばせた。

 岩手の本拠地いわぎんスタジアムの収容は4946人でJリーグ基準を満たしておらず、J2昇格には来年6月までに改修計画書の提出が必須。川淵氏は茨城・鹿嶋市に専用スタジアムを作ったことで1993年のJリーグ加盟が認められた鹿島を例に挙げ「スタジアムは地域の夢の受け皿になります。親子で共通の話題ができて『町にプライドを持てた』と言う人が多くなった。町には暴走族がすごかったけど、いなくなってみんなサポーターになったんですよ」と笑った。

 講演活動はコロナ禍で中断していたが、今回が約3年ぶりの再開だった。「持ち時間は30分? 話したいことは1時間以上ありますよ」と立ったまま熱弁をふるった。「スタジアムは避難所にもなるので災害対策にとっても必要」「クラブが強くなるには地元の子供を育てること」「応援されるためには地域の人と協力して活動すること」―。私は東京でサッカー担当をしていた時から何度も取材機会があったが、熱い口調の中に時おりユーモアをまじえる“川淵節”は健在。とても80代には思えない。

 秋田社長は「川淵さんにギャラをお渡ししようとしたら『全部グルージャに寄付する』と言っていただいたんです。本当にありがたい」と感謝した。Jリーグ初年度からチェアマンと鹿島の中心選手として、ともにサッカー界を引っ張ってきた2人。30年たっても、強い絆は変わらない。(東北支局・岩崎敦)





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