
日刊鹿島アントラーズニュース
Ads by Google
2023年9月4日月曜日
◆「プロ向きじゃないかもしれませんが…」鹿島アントラーズ・岩政監督が語る“復権のカギ”「着想で言うと、イビチャ・オシムさんなんです」(Number)

目下の戦いぶりに確かな手ごたえを感じつつある。鹿島アントラーズを束ねる岩政大樹監督だ。
「いろいろな人が『お前のやりたいサッカーをやればいい』って言うんですけど(笑)。僕自身、こだわりはない。試合というのは選手のものであって、彼らの個性をいかに出してあげられるか。そこに指導者としてのベースがあるんです」
とにかく、選手たちがピッチ上で輝いてくれればいいと。トレンドに踊らされ、無理やり選手たちを型にはめ込むようなマネはしない。そうした姿勢が結果的に逆襲の引き金となった感がある。
シーズン当初は苦戦の連続。8節を終えて、2勝1分け5敗の15位に沈んでしまう。ヴィッセル神戸とのホーム戦では、1-5という記録的な大敗を喫していた。
転機となったのは9節のアルビレックス新潟戦。指揮官は迷わず手を打った。従来の人選にメスを入れ、新たな組み合わせで再出発を図る。そこから反転攻勢が始まった。
「ピッチへ送ったのは絶えず周りとつながりを持ち、それを心地よく感じながらプレーする選手たちです。いまの選手たちには、それが合いそうだなと」
新たに先発リストに名を連ねたのがFWの垣田裕暉であり、仲間隼斗と名古新太郎の両MFだった。彼らがFWの鈴木優磨やMFの樋口雄太らの主力と密接に絡みながら、躍進を支えることになる。
「着想で言うと、イビチャ・オシムさんなんです」
重視したのは選手同士の関係性。そこで説いたのが連動、連続、連係である。それが成立すれば、相手は必ず困るはずだ――と。指揮官には実体験があった。
「着想で言うと、イビチャ・オシムさんなんです。あの頃のジェフですね。実際に守っていて、すごく嫌だったんですよ。本当にとらえどころがなくて。言わば巻誠一郎とマリオ・ハースのペアが垣田と優磨で、その背後から出てくる羽生直剛さんが仲間みたいな。そういうイメージです」
事実、いまの鹿島の攻撃は極めて流動的だ。それこそ、各々の動きは縦横無尽、神出鬼没。まるで昨季CLで8強に躍進したベンフィカ(ポルトガル)のようだ。相手からすれば、何を仕掛けてくるかが読みにくい。そのぶん再現性に乏しいが、指揮官は意に介さない。
「あらかじめ、相手の出方を読み、こういう立ち位置を取ると決めて戦おうとしたケースもあります。ただ、動きがぎこちなくなって、選手たちが躍動しないんです」
そうした手法が当世風であろうとなかろうと、選手たちが輝かなければ意味がないというわけだ。あくまでも、重視するのは選手同士のつながり。指揮官はその際のポイントがランニングにあると言う。
「プロ向きじゃないかもしれませんが…」
「そこから連動が生まれると選手たちに話しています。オシムさんではないですが、まず走ろうと。ボールに近い選手が走ったら、スペースが見える。後ろの選手はそこに入って行けばいい。そこから自ずと連動、連続、連係が生まれますからね。ただ、思った以上に機能している感じはありますね」
それも〈つながり〉に軸足を定めた組み合わせの妙。グッド・ケミストリーの見本と言っていい。指揮官は逆境に立たされながらも、その解を探り当てた格好だ。
新潟戦以降、攻守の歯車がかみ合い、戦績は8勝5分け2敗。一気に勝ち点を伸ばし、上位に食い込むことになった。この先、11ポイントの開きがある首位との勝ち点差(23節時点)をどこまで縮められるか。期待を寄せるのは、まだまだ周囲とのつながりが薄い若手たちである。
「つながりの輪の中にどんどん入って来てほしいと思っています。もちろん、融合を進めたくて使っている側面もあります。周囲と合わないというケースもありますが。例えば、お互いに使いたいスペースが一緒で動きが重なってしまうとか。難しいところですけど、チャンスは与えてあげたい。失敗もあるでしょうが、変わるチャンスはありますからね。そこまではやる監督でいたい。もっとも、そういう姿勢はプロ向きじゃないかもしれませんが」
何しろ、束ねるチームは鹿島である。何よりも結果を問われる以上、冒険はしにくい。長い目で見た場合に必要な強化を試みつつも、現実を見定め、したたかにチーム力を引き上げる手腕が求められるのだ。
指揮官はその難しさを実感しながらも、確実に自信を深めている。この先、どう進むべきか「クリアになった」という。岩政鹿島が誇る3つの連(連動、連続、連係)に、よりいっそう磨きがかかりそうだ。
岩政大樹Daiki Iwamasa
1982年1月30日、山口県生まれ。'04年に東京学芸大から鹿島に加入し、J1通算290試合出場35得点。'18年の現役引退後、上武大監督、鹿島コーチを経て'22年途中から監督を務める。
Ads by Google
日刊鹿島
- 18
◆明治安田J1 鹿島、引き分け ホーム26戦無敗 J1新記録(茨城新聞)2025-03-16
- 29
◆京都が鹿島DF須貝英大獲りへ MF米本は完全移籍に移行(スポニチ)2024-12-23
- 34
◆鹿島、C大阪FWレオセアラ獲得交渉中…J1で4季連続2ケタ得点(報知)2024-12-17
- 40
★【J1鹿島の今季初実戦で見えた鬼木アントラーズの姿とは】(サッカー批評)2025-01-13
- 41
★2025年04月の記事まとめ(日刊鹿島アントラーズニュース)2025-03-31
- 46
★2024年観戦時ツイートまとめ(日刊鹿島アントラーズニュース)2024-11-04
- 55
◆【J1鹿島が川崎にシーズンダブルを達成した意味】(サッカー批評)2024-11-03
- 63
◆J1鹿島 柴崎、今季も「10」 背番号、新ユニホーム発表(茨城新聞)2025-01-05
- 66
◆柏 DF古賀太陽巡り争奪戦 鹿島と川崎Fなどが獲得に動く(スポニチ)2024-12-15
- 72
★2025年02月の記事まとめ(日刊鹿島アントラーズニュース)2025-01-31
- 76
◆明治安田J1 鹿島、7試合ぶり黒星 相手守備崩せず(茨城新聞)2025-04-02
- 94
★【宮崎キャンプ終盤。金沢戦で見えた鬼木・鹿島の戦い方】(サッカー批評)2025-01-22
- 96
◆J1鹿島 熱い歓迎感謝 キャンプ地、宮崎入り(茨城新聞)2025-01-14
過去の記事
- ► 2024 (1133)
- ▼ 2023 (1261)
- ► 2022 (1152)
- ► 2021 (1136)
- ► 2020 (1404)
- ► 2019 (2168)
- ► 2018 (2557)
- ► 2017 (2892)
- ► 2016 (2193)
- ► 2015 (1859)
- ► 2014 (2464)