J1鹿島は18日、茨城・鹿嶋市内で2部練習を行った。1部では走り込みを中心に体力作りに着手。2部では戦術的な落とし込みを図るメニューが組み込まれ、ポポビッチ新監督の目指すサッカーを表現するべく、選手たちが精力的に汗を流した。
* * *
始動から10日、監督がどういうプレーを求めているのか、選手たちの間で理解が広がっていることを感じさせた。
選手間で要求し合う声が増えている。監督が求めていること、言い換えればチームにとっての「正解」の選択が何なのかわかっているからこそ、要求ができている。
指揮官は、いいプレーに対して「ブラボー!」「(日本語で)すばらしい!」など、プラスの声掛けを連呼する。「監督が何を考えているかわからない」なんて戯れ言は通用しない。シンプルに「ブラボー」が発せられたプレーを再現すればいいだけのこと。
練習を見ていると、切り替えがとにかく速いし(ミニゲームでゴールを決めた名古新太郎は、ネットが揺れるのを確認する前に守備の立ち位置を取るべく振り向いた)、攻撃に人数をかけるし(藤井智也は自分のパスに追いつくんじゃないかと思わせるほどの全力スプリントで、ワンツーの「ツー」の位置へ潜り込んでいた)、ゴールへの最短ルートを探る(クリアをパスに、横パスを縦パスに、可能なら1つ、2つ飛ばしで、の精神。植田直通も絶賛トライ中)。質はまだまだこれからだが、姿勢は上々といった印象だ。
チームの目指す方向性は、選手間で共有されつつある。宮崎キャンプ(23日~)では3試合(J3宮崎、J2徳島、J2甲府)が予定されており、相手がいる中で自分たちの強みをどう出せるか、プランAでどこまで殴れるのか、うまくいかない時にどう工夫するのか、等々を探っていくことになる。
「始動~キャンプまで」の段階において、ポポビッチ監督の能力の高さは存分に示された。今後はこれまでとは別の能力が求められることになり、新指揮官の真価が問われるフェーズに移っていくとも言える。チーム作りは着々と進んでおり、ここからどんな進化(深化)が見られるか楽しみだ。(岡島 智哉)
◆【鹿島】始動から10日、チーム作りは着々と 浸透しつつあるポポビッチ流…質はこれから、姿勢は上々(報知)